片付けできない人は遺伝？

あなたは片付けができていますか？

良いお知らせと悪いお知らせがあります。

まず良いお知らせから

片付けが出来なくても大丈夫

日本人の6割以上が、自分は片付けができないと思っているのです。

次に悪いお知らせ

下のメールをお読みください↓

１・冷蔵庫がぐちゃぐちゃ

「山西先生

質問です。 私、片付けがどうしても苦手なんです。母も、おばあちゃんも、ずっと、連鎖でつづいています。 母も冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ。 おばあちゃんを思い出すと、テーブルに３０こくらいの汚い調味料が置いてあった。

あれ、同じのが、たくさんあった、、、無駄ですね。。。 おばあちゃんは勉強ができて、むちゃ才女。母はのんきな人で勉強ぎらい。 片付けって、勉強できる、頭いい、とか、どうやら関係ないらしい。

私の場合は、 どうしても、人が来ると思えば、１時間ぐらいノロノロしながら、やっと、やりますが、 人が来ないと思えば、洗濯物たたむ、分ける、しまう、とか、、、やらないし、（そのまま、部屋の角に、、、）

書類もそのまま重ねとくし、 だから、わすれものとか、よくします。。。 なんというか、やろうとすると、ああーーーーめんどくさい、、、と。

で、なにも、考えずに手だけ動かすと、なんとか、できるんですが、考えていない自分を遠くからみている 自分がいて　なんとも、　気分があまりよくない、、、

この病気が息子にも移っていて 最近、 息子もめんどくさーいというようになりました。

やばい、、やばい、、焦っています。

どんな片付け本よんでも、やり方も、テクもわかってるんですよ、さすがに。 ただ、やる気がしないだけなの。

これって、どのDVDみればなおるんですか。。。」

２・お答えします

「精神工学です。

>どんな片付け本よんでも、やり方も、テクもわかってるんですよ、さすがに。 >ただ、やる気がしないだけなの。 > >これって、どのDVDみればなおるんですか。。。

治る可能性はあります

基本的に掃除が嫌いな人は、「未来が嫌い」なのです

言葉を変えると「過去が好き」、つまり「自分が変わりたくない」人です

他人と関わりあって、それで自分が変えられることが嫌いです

ですから、表面的に私に意見を求めても、「あなたの中がブツっと音をたてて」なにかが、切れることがない限り絶対に変わる事はできません

アドバイスとして、掃除することをお勧めします

それは「トイレだけ」とか、台所の食卓の上半分だけとか、つねにそこだけは完璧にすることです

あとはぐちゃぐちゃに、して置いてください

山西」

補足です

よく、自己啓発の本などで「こういうことができるようになったら、それを徐々に大きくしていこう」などと、あります

たとえば、ダイニングテーブルの上に直径３０センチぐらいの円を書いて、「その中だけは完璧にきれいにしておこう」と決めたとします

それができるようになったら、その次の日は円を１センチだけ大きくしていくというような手順です

じつは間違いです←断言します！

こういうことをすると、「失敗します」

つまり、元の「冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ」に戻ってしまいます

ちょうど、ダイエットのリバウンドと同じです

ちまたにあふれる片付け本には、そういうことの理解が乏しいというか、そのメカニズムを解説したものはありません

すなわち、片づけをできない人の脳内（内部表現）には、「冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ」の世界が存在します

それが、一時的にきれいになると、内部表現の世界に沿うようにそれを戻そうとするので、結局片付けに失敗するのです

ですから、直径３０センチの円の中が片付けできたら、もうそれはほっといてください

もとのぐちゃぐちゃに戻っても、かまわないのです

ということは、表面的には元の「冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ」に戻ってしまいますから、結果的にはおなじことになります

しかし、それでいいのです！

ちがうところは、自分をほめることです

「ようし、３０センチの中だけとはいえ、きれいにすることが出来たじゃないか！ すごいぞ！」

って、自分をほめることです

３・それでいいのです

ちがうところは、自分をほめることです

※自分をほめることです

そしてしばらくして、元の「冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ」を見て、これじゃいけないと思ったらまた直径３０センチを書いて、きれいにしてください

それでまた、

「ようし、３０センチの中だけとはいえ、きれいにすることが出来たじゃないか！ すごいぞ！」

って、自分をほめることです

芥川龍之介の小説、杜子春の最初にでてくるくだりにちょっと似ていますが、同じことを繰り返して反省することが重要です

なぜ、こういうことが必要か？

これは「ねぎらい」という行為ですが、これがないと内部表現は変えることができません

願望実現のために将来の成功イメージを持つという方法がありますが、結局、内部表現内に「ぐちゃぐちゃ」のイメージがあると、おなじことが起きるのです

つまり、「将来の成功イメージ」が「冷蔵庫のなかぐちゃぐちゃ、書類ぐちゃぐちゃ」なので、願望が実現してそういう状態が実現してしまいます

それを改善することなしに、その円を次は１センチだけ大きくしていくというようなことを行うと、失敗するのです

ですから、内部表現内に「ぐちゃぐちゃ」のイメージがあるうちは、どんなにがんばっても成功しませんし、その頑張りが苦痛です

それに対して、ねぎらいは気持ちいいです

なぜ、ねぎらいが必要か？

急いで下をお読みください

４・ねぎらいとは？

交流分析という、心理学の方法があります

これは、「心の中身」を、３種類に分類するというのが基本です（３種類はそれぞれ分かれて、５種類になります）

３種類に分類される心の成分はなにか？というと、「親（的な）の心」「子ども（的な）の心」、そして「理性（大人の心）」です

人は生まれたとき、子どもですから最初は「子ども（的な）の心」だけしか、ありません

それが成長するときに、親の心理を感じて、それをまねることで、「親（的な）の心」を取り込んでいきます

そしてまた、世界を理解するにつれて客観的態度を身につけて、それが「理性（大人の心）」になります

交流分析とはこういう心の成分を、いわばトランプのカードのように見立てて、コミニュケーションの際に「どういうカードを見せ合うか？」で、その人の性格が現れるという原理に基づいています

さて、片づけができない人の心理を考えると、その人の問題意識として「片づけができないのは、困ったことだ」という認識があります

この認識はどの心の成分が思うかというと、それは「理性（大人の心）」です

それに対して、「片づけをしたくない」と考えるのは、「子どもの心」です

この場合「子どもの心」は、潜在意識に近い部分にあります

潜在意識に近い「子どもの心」の方が、顕在意識に表れている「理性」よりも、強力だから「片づけができない」のです

※なぜ、「子どもの心」が潜在意識にあるかというと、つまり子ども時代に解消されていない問題があって、その時点で成長が止まってしまっていると考えると、納得がいくと思います

そして、その「子どもの心」は、まさに子どもの心理そのものなので、「親がしていたから、自分もそうしていいのだ」と考えるのです

あるいは、子どもにとって「子ども時代の家庭内の雰囲気」が、原体験であり心地いいものだから、それを壊されることを恐れるのです

また今の現実世界を、その心象風景と同じにすることで、安心できるのです

これが、片づけをしたくない心理の裏にあるものです

すなわち「片づけができない」人の原体験には、「子ども時代の家庭内の雰囲気」がそうである可能性が高いと考えられます

よく、子どもが叱られたとき、「お母さんだって、○○じゃない！」ということがあります

片づけをしなさいといわれた子どもが、「お母さんだって片づけしていないじゃない！」と、反論することがよくあります

この論理の裏にはお母さんが造った、「家庭内の雰囲気」（片付けできていない状態）が心いいという捉え方があるのです

また、親がそうであるなら、自分も片づけしなくていいという甘えの構造もあります

そういう視点で、冒頭の文章を読むと、よくわかると思います

つまり、問題の核心は片づけができないことではなく、心の一部が子ども時代に成長を止めてしまって、潜在意識に潜んでいることなのです

そのような子ども的心が、理性的な活動をしようとするとき、邪魔をするのです

これはよく考えると、大変な問題です

質問者は「片づけをしようとしても、うまくできない」と考えています

しかし、この状態をより詳しく描写すると、「片付けをしようとしても、肉体がそういう動きをしない、できない」ということです

過激な発言をすると（差別的な表現かもしれませんが）、この人は「片づけをしようとするとき」に、身体障害者と同じになるのです

そう考えると、「片付けをしようとしても、肉体がそういう動きをしない」、というのは大変な問題です

その問題の核心は、子ども時代に解消されていない問題があって、その時点で成長が止まってしまっていると考えるからです

それが子どもの心だから、だだをこねていると思うと理解できるのですが、本人はもう大人ですから、まさか自分の中にそんな思いがあるとは、考えることができないのです

その子どものだだをこねる心理は、「親や家族に自分の思いを聞いて、受け入れてもらいたい」という動機から生まれています

掃除をしたくないのは表面的な現象であって、「親や家族に自分の思いを聞いて、受け入れてもらいたい」というのが、本当の想いです

ですから、そうすることが問題を解決する根本的方法ですが、その想定している親は「子ども時代に不満だった頃の親」なのです

しかも「大人になった自分」は、いまさら親にそう言ってもらっても、恥ずかしいだけかもしれません

そこで、「ねぎらい」が必要になります

すなわち「自分の心の中の子ども的心」を、「自分の心の中の親的心」でもって、その不満を聞いてあげて、それを受け止める作業です

「偉かったね！」って、「つらかったけど、がんばったね！」って、自分をほめる作業が必要なのです

５・繰り返す、あきらめない！

直径３０センチの円をダイニングテーブルの上に描いて、その中だけきれいに掃除します

それをして、自分をほめてあげるのです

そしてまた、ぐちゃぐちゃになって、「これじゃ、いけない！」と思ったら、また直径３０センチの円を描いて同じことをして、自分をねぎらうのです

そうやって、自分の中の解消されていない子ども時代の思いを、少しずつ表に出してあげるのです

そうしないと、いつまでもこのような問題は解決しません

繰り返しが、どうしても必要です

なぜならこのような習慣や人生の構えは少なくとも、２０年以上かかって作り上げられてきたものです

それが一回だけ、３０センチの円をダイニングテーブルの上に描いて、その中だけきれいに掃除したぐらいで、解消できるものではありません

問題の根本は、自分のいうことを聞いてくれなかった「親への恨み」なのです

ですから、そのだだをこねる「子どもの心」を、慰め、ねぎらい、褒めて、励ますことの繰り返しが必要です

まとめ

片付けが出来ない人に向けて書きました

なぜなら私もそういう人だったからです

みなさんは「お寺の釣り鐘を人差し指一本で動かす方法」を、ご存知でしょうか？

これは釣り鐘がゆれる周期には決まった時間（固有周期）があって、その周期にあわせて力を加えるなら、たとえ指一本のような弱い力でも、釣り鐘を揺らすことができるという原理です

これと同じで、だだをこねる「子どもの心」を、慰め、ねぎらい、褒めて、励ますことも繰り返しが大切です

「子どもの心」の執着のようなものも、内部表現内にある抽象的存在ですが、私はそれも揺れる周期には決まった時間（固有周期）があると考えています

その固有周期にあわせて、慰め、ねぎらい、褒めて、励ます「力」を加えるなら、堅く閉じ込められた「潜在意識の心の扉」を打ち壊すことができます

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筆者について

長く建設会社に勤めながら瞑想行や神秘業を、科学的に研究する。

建設会社をリストラされたのを機に、中小建設業生き残り研究会を立ち上げ、建設会社の新規事業開発やマーケティングを研究する。

しかし、中小建設業生き残り研究会のＤＶＤの売れ行きに悩み、瞑想中の啓示により変性意識開発のＤＶＤを製作・販売する。

ネット事業に活路を見出し、瞑想による願望実現のホントとウソの研究にシフトしていく。

宗教色を排した、科学的瞑想の研究を勧める。

ヴィパッサナー瞑想はほとんど知らなかったが、本を一冊読んで「自分が行っていたのはじつはヴィパッサナー瞑想だった」と気がつく。

四国の山中に在住、時々東京や大阪でセミナーを開催。

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