ウクライナ戦争が終わるとき世界に何が起きるのか?
世界に何が起きるのか?
答えは「デカップリング」です。
「デカップリング」とはカップルだったのをやめるという意味で、金融的には「切り離し」みたいな意味を持っています。
これが起きると、日本に大変なショックが襲います。
物価高と失業

1・ロシアの金融制裁はデカップリング
ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁として、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークからロシアの銀行を締め出す政策を実施しました。
この効果はすさまじく、ロシアの通貨ルーブルは大暴落しています。
さらにこの金融制裁措置を、ロシアに肩入れする周辺国にも広げると警告しています。
その結果、SWIFTから除外された国は経済が立ち行かなくなることになるとわかり始めました。

2・なぜ経済が立ち行かなくなるのか?
これは基本的なことですが、「お金とは何か?」ということと関係しています。
第二次世界大戦以前から世界的に通用するお金とはドルでしたし、今もそうです。
ところが昔のドルは、金本位制と言ってアメリカがドルの価値を担保してくれるという仕組みがありました。
具体的には、自分が持っているドルをアメリカの中央銀行に持って行くと、同じ価値の金と交換してくれるという仕組みです。
つまりこれは、江渡時代の両替商と同じ仕組みです。
そのころのアメリカは、交換できるように大量の金の延べ棒をストックしていたのでした。

しかしニクソン大統領の時にこの政策をやめました。
その結果、お金と言うものの概念が変わってしまったのです。
今回の国際的な決済ネットワークからロシアの銀行を締め出す政策を行っても、ドルと金を交換する仕組みが残っていたなら打撃を与えることはできなかったでしょう。
ロシアのルーブルを金に交換すれば、それはドルと同じことだからです。
金はドルに交換できるからお同じです。
しかし、ニクソンがドルと金の交換をやめたせいで、ドルはいくらでも発行できることになりました。
その結果起きることは、「誰も知りません」。
人類はそういうことを行ったことがなかったので、経済学者の中でも論争が起きるほどなのです。
それでもドルは世界の基軸通貨として世界中を駆け巡っていますから、ドルと金の交換をやめたことでお金が消えるわけではなかったことが証明されました。
では元に戻って、「お金とは何か?」ということです。
お金とは「信用」だと言えるでしょう。
人びとが100ドル札とか一万円札とかにそれだけの価値があると信じ、お店に持って行くと相当の商品と交換できることが「信用」です。
お店に持って行くと相当の商品と交換できると多くの人々が「信じていること」が、お金の価値だと言って間違いないでしょう。
そして基軸通貨であるドルの場合、アメリカと言う国の経済力と「軍事力」がその信用の後ろ盾です。
アメリカがいかに経済力があったとしても、戦争で負けて潰れてしまうようでは信用するわけにはいかないからです。
世界中の国が発行するお金は、元をたどるとドルといくらで交換できるかということで、その信用を保っています。
今回のSWIFTからの除外は、自国通貨とドルとのつながりを断ち切ることだったのです。
これによりルーブルは糸の切れた凧のようになり、くるくる回ってどこまでも落ちて行っています。
「軍事力」が信用の後ろ盾

3・青くなる中国
これがデカップリングの怖ろしさです。
デカップリングは通貨だけでなく、スポーツの世界でも起きています。
他の文化的なことや、人の移動にもデカップリングが起きるでしょう。
これは切り離された二つの世界になることであって、大げさに言うと同じ地球上でありながら、別々の惑星に暮らしているようなことになります。
もちろんこれが定着するまでには、産業の大転換が起きることはいうまでもありません。
例えばニュースで言っていましたが、ロシアからの魚介類を輸入する商社はさっそく倒産の危機に立たされているそうです。
しかし、ロシアのような独裁国家と付き合うことの恐ろしさを知った西側諸国は、デカップリングを行わざるを得なくなっています。
それは中国との付き合いでも同じです。
ドイツはロシアとの関係が深かったのですが、ウクライナ戦争が起きたことでデカップリングせざるを得なくなりました。
おなじことが起こります。
これまで中国の安価な労働力と、14億人と言う巨大な市場に眼がくらんだ日本企業は、中国市場からの撤退を渋っていました。
ところが独裁国家の軍事的暴走を見たことで、中国と付き合うことの危険性がわかりました。
中国が台湾や香港に軍事的行動に出るとしたら、金融制裁が行われることが確実でしょう。
それは中国とのデカップリングです。
デカップリングとは、同じ地球上でありながら、別々の惑星に暮らしているような分断を発生させます。
そうなる前に、自分の手で中国と縁を切ったほうが賢明だと多くの企業は思い始めたことでしょう。

まとめ
ロシアの暴走を中国は注意深く見ているとみて、間違いありません。
習近平はこの後でプーチンがどういう結末を迎えるのか、気が気ではないでしょう。
そればかりでなく、中国に進出している外国企業がデカップリングすることが悩みの種になったことでしょう。
しかしこれは私たちにも、さらなる物価の高騰という試練になることが確実です。
※地球のあちら側とこちら側に分かれて住もう
ベルリンの壁と万里の長城
下記よりメールアドレスをご登録頂ければ、最新記事やセミナーの優待案内をお知らせします。
不定期メルマガにご招待
関連記事
-
-
どうしてロシアの戦車はあんなに弱いのか?あなたの知らない戦争の秘密
科学ネタです。 日本人は戦争についてあまりにも知らなさすぎます。 そして、戦争や …
-
-
「記憶術」を応用したゴルフ動画創りました
記憶術に 必要なのは 1.知っている言葉を使うこと …
-
-
【秘密】あなたの人生が急激に好転する魔法 誰にも教えてはいけない
すごい情報が 読者の方から、すごい情報が届きました。 ご質問を兼ね …
-
-
安倍元首相が亡くなった後で日本の左傾化が急激に進んだのはなぜか?
安倍首相暗殺事件は 2022年7月8日 …
-
-
あなたがラーメン屋を始めるとしてお金がどのくらい必要か?
脱サラして、あるいは定年後に、 &nb …
-
-
池上彰やロシアの「専門家」はなぜプーチンを読み間違ってしまったのか?
ロシア政治を研究し、 日本政府の国家安 …
-
-
中高年が知らないとヤバイ「マルハラ」とは? 若者に嫌われる
最近、急に言われ出したのが 「マルハラ」です。 マルハラとは丸を付 …
-
-
自民党総裁選の日 高市早苗は総理大臣になれるのか?
2025年自民党総裁選の 結果を予想し …
-
-
誰でも知っている「あの話」一番悪い奴は亀だった?
日本の昔話でいちばん理不尽に感じるのは、 「浦島太郎」ではないでしょうか? じつ …
-
-
ノーベル物理学賞を獲った日本人の秘密とは?
うれしいニュースです。 地球温暖化の予測法を開発し、ノーベル物理学賞の受賞が決ま …
- PREV
- プーチンがこの世界から去るとき、何をするのか?
- NEXT
- プーチンより偉い日本人はこの人

