精神工学研究所

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ご質問頂きました 埼玉・郵便局人質立てこもり事件 86歳男の犯行

   

記事に関してご質問が届きました。

 

元の記事

埼玉・郵便局人質立てこもり事件 86歳男の犯行

ご質問は

「山西様

おっしゃる通りです。

「怒りの定期貯金」満期になりそうな高齢者、結構いると思います。

今日の出来事です。

クリーニング屋さんで店員さんにコートのベルトについて、話をしていたら私の後に来た高齢者、私2、3分も待たせていないと思うのですが、「それ何時間かかるのですか?そんな話しは、後にして私のことやってください。」

と声を荒げて言いました。

目は、メガネを掛けてはいましたが、その奥マンガの三角形みたいでした。この人ヤバイかもと直感的に思いました。

そこで

(1)「怒りの定期貯金満期の人の見分け方」切れそうな人の見分け方、可能ならアドバイスをお願いします。

(2)そもそも高齢者へのかんぽ生命の不正契約やゆうちょ銀行の不適切投資信託勧誘があったにも関わらず、会社の追求がビッグモーターのようにならないのはなぜでしょうか?

マスコミの追求が甘いように思うのですが、その差は何なんでしょうか?

怒れる老人

 

 

1・元記事の概要

 

2023年10月31日

埼玉県蕨市の郵便局に拳銃を所持して人質をとって立てこもり、逮捕された鈴木常雄容疑者はなんと86歳。

この事件の直前には隣接する戸田市の総合病院の診察室に拳銃を撃ち込み、医師と患者にけがを負わせてバイクで逃走しただけでなく

自宅アパートから出火していて、自宅に火を付けたことも認めているのです。

一体何が彼を駆り立てたのでしょうか?

この人だけでなく、世の中には些細なことで急にキレて怒りMaxになる人がいます。

その時、怒り始めた原因と怒りの量がまったく釣り合わないほど怒るのです。

なぜこの人はそこまで怒るのでしょうか?

それはおそらく、この人の幼少期に原因があると考えられます。

まだ幼児の時に、こういう人が怒って見せると親がうろたえてよい気分を味わったという経験があったとします。

ふだんはおとなしい子供が怒ったので、おかしいほど親が動揺したのですが、その時子供は「勘違い」をします。

すべての子供がそうなるわけではないのですが、何割かの子供はある「勘違い」をしてしまうのです。

それは「自分が我慢して我慢して、ある一定量の怒りが溜まった時に、怒りを表現できるんだ!」という思い込みです。

こういう気持ちを持ってしまうと、怒りが「ある一定量溜まるまで」は表面はおとなしくて穏やかな子供に見えます。

そのまま大人になっても、この思い込みは消えません。

こういう人物が、些細なことで急にキレて怒りマックスになるのです。

その時、怒り始めた原因と怒りの量がまったく釣り合わないほど怒ることになります。

つまりこれは、「怒りの定期貯金」とでもいうべき心理なのです。

「怒りの定期貯金」の人は、満期になるまではとなしくて穏やかな人物を演じます。

それが自分の中で「十分我慢した!」という、いわば満期を迎えるとその瞬間に怒りが噴き出すのです。

 

 

 

2・質問1に関して

 

「(1)「怒りの定期貯金満期の人の見分け方」切れそうな人の見分け方、可能ならアドバイスをお願いします」

老人には近づかないことです。

私も老境にさしかかってきたのですが、先日も自動車を運転していて右側に曲がろうとしたとき前方から大型トラックが来ているのが見えました。

しかし、そのまま右折して大型トラックの前を横切ってしまったのです。

待った方がよかったなと反省しました。

トラックの前を横切って、なぜ後で「待てばよかった」と後悔したかというと、やはり脳が老化しているせいかと思います。

脳はブドウ糖と酸素で動いていますが、それを脳に運ぶのは血液です。

肉体が衰えれば、脳に運ばれるエネルギー量が減少します。

だから若い時のような考えでいると、いら立ちを抑えきれなかったりしやすくなります。

エネルギー量の節約に、歳を取るとこれまでの経験によって構成された行動原理を無批判に使うことが多くなります。

「それがこの場合適切かどうか」というのが、考えなしに行われることが多くなるのです。

そんな人は、経験によって構成された行動原理を変えられたくないので、イライラします。

見分け方

・イライラしている人は貧乏ゆすりのような症状が現れます。

体の末端(四肢)が動くのを抑えられないようになります。

そういうところを見れば、イライラしている人かどうかわかります。

ゆったりしている人は、あまり怒りません。

またその状況に関心がない5歳の幼児は、レジでお母さんと並んでいてもきょろきょろと遠くを見たりします。

反対に、その状況に強い関心を持っている老人、すなわちイライラしている人はこれと反対の行動をします。

具体的にはイライラさせる張本人である、レジで時間がかかる人をにらみつけます。

これは「俺の視線に気づけよ!」というサインです。

これがわかると、切れそうな人かどうかがわかります。

 

 

 

3・次のご質問

 

「(2)そもそも高齢者へのかんぽ生命の不正契約やゆうちょ銀行の不適切投資信託勧誘があったにも関わらず、会社の追求がビッグモーターのようにならないのはなぜでしょうか?

マスコミの追求が甘いように思うのですが、その差は何なんでしょうか?」

この部分は大事なので、ここだけはお読みください。

40年ほど前に私が建設会社に勤め始めたころのことです。

当時は合併していなかったので「町役場」でしたが、建設業者を集めて役場の建設担当部署とのミーティングが行われました。

専門的なことですが、工事の状況はその都度写真を撮って、工事用アルバムに貼って工事完成後に提出する流れです。

私はそのミーティングで、疑問をぶつけました。

工事状況の写真に油圧ショベルが写ってはいけないというのはなぜか?という疑問です。

その理由は、工事の設計積算は手掘り単価で行い、実際の工事は油圧ショベルで行っていたからです。

なぜ手掘り単価にするかというと、機械掘削単価よりはるかに単価が高かったからです。

つまり工事の設計積算を手掘り単価で行うというのは、工事費を多めに計上するという当時の慣習というか、業者に対する配慮だったのです。

新参者の私は、「それはおかしい。機械掘りなら機械掘りにすべきだ」とたてついたのでした。

この工事費を多めに計上するテクニックは、建設省も県の担当部署も町役場も、そして工事業者もみな知っている暗黙の了解でした。

しかしやっていることは、税金の無駄使い。法律違反です。

ですからそれに触れるのは、業界のタブーです。

それをあのような席で私が言ったものですから、空気が凍り付きました。

何が言いたいかというと、公務員がらみのタブーみたいな慣習というのは、誰かの号令で始まったわけではないという事実です。

一般人の多くはそういう税金の無駄使いは、誰か「悪い奴」がいて、そいつの号令で始まったと想像しますが、そうではありません。

業者と公務員のもたれあい、阿吽の呼吸、忖度と腹の探り合いで、自然発生するものなのです。

そして公務員の世界では、「空気を読むことに長けた者」が出世する構造があります。

仕事ができるかどうかより、空気を読める奴がエラくなるのです。

 

郵便事業の不正に関して、メディアの追及がゆるすぎるとのご指摘ですが、それが「もたれあい、阿吽の呼吸、忖度と腹の探り合い」です。

郵便事業の所管はかつての郵政省です。(今は郵政省、総務庁、自治省が合併した総務省の管轄)

郵便事業は郵政省の優良物件で、これを解体したり手を入れることは郵政官僚が許しませんでした。

そして(ここがキモ)、テレビの電波利権の管轄も郵政省です。

だったら、テレビ局ごときが郵政省の優良物件である郵便事業を悪く言えるはずがないじゃないですか!

しかも郵便貯金事業は実質銀行業であって、銀行を所管する大蔵省(現財務省)は郵便事業を自分の管轄にしたいと虎視眈々狙っていました。

スキャンダルが大ニュースになれば、大蔵省が付けいるすきを与えることになるのです。

そういうニュースを流したテレビ局は、郵政官僚からどういう目に遭わされるか?考えただけでも恐ろしいことになるのです。

電波利権はNHKも同じですから、NHKニュースもこれを報じることはできません。

これが「追求がビッグモーターのようにならない」理由です。

 

郵政官僚不正の構造

まとめ

 

 

公務員の業界は内向き志向で、国民の幸せなど考えない輩も多いと指摘する人もいます。

その結果、とんでもないことが起こります。

普通、ミスをした人物は処罰されたり降格されるものですが、「公務員組織では逆の現象が起きる」と、故堺屋太一先生は指摘しています。

堺屋先生は通産省の官僚だったのですが、官僚組織ではミスをした職員がそのミスのせいで苦労することがあります。

それを見た上司は「あいつは苦労しているからねぎらってやろう」と、昇進してしまうことがよくあると指摘されています。

ミスをした人物が、昇進するのです!

これが常習的だったのが第二次世界大戦の日本軍で、これのせいで負けた戦いがけっこうあったそうです。

無能な人物が出世するのですから、戦いに負けるのです。

和歌山毒カレー事件では冤罪の疑いが指摘されていますが、冤罪だと言われる理由は当時の検察官のやり方にあると言われています。

ところがこの検察官は事件後出世していて、札幌地方検察庁の検事正にもなっています。

まさに、「ミスをした人物が昇進する例」ではないでしょうか?

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