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40年前の冤罪事件日野町事件再審確定の理由

      2023/04/04

無期懲役が確定

滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性(当時69)が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」。

無期懲役が確定し服役中に阪原弘元受刑者について、再審が行われることになりました。

驚くことにこの受刑者はすでに死亡しているということです。

2023年2月27日、大阪高裁は27日、再審の開始を認めた大津地裁の決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却しました。

いったいなぜ今頃になって、再審が決まったのでしょうか?

あなたも冤罪に巻き込まれかねません、知っておいた方がいい内容だと思います。

1・日野町事件とは?

 

ウイキペディアより

「1984年12月29日に滋賀県蒲生郡日野町の自営業の女性が消息を絶ち、翌年1月18日に他殺体となって発見された強盗殺人事件。

1984年12月29日 – 酒屋の女性経営者A(当時69歳)が行方不明となる。

1985年1月18日 – 日野町内の宅地造成地でAの遺体発見。死因は絞殺だった。

1985年4月28日 – 石原山の山中にてAの金庫が発見。

1988年3月9日より、酒屋の立ち飲み常連客であった阪原 弘(当時53歳)が警察の事情聴取を受け、同月11日、犯行を自白して翌日に強盗殺人罪で逮捕。
だが裁判では自白を強要されたとして一転無罪を主張。

1995年 – 大津地裁で無期懲役判決。裁判長判事は中川隆司。

2000年 – 最高裁の上告棄却で無期懲役確定

2018年7月11日、大津地裁(今井輝幸裁判長)は11日、再審開始を認める決定をした。

大津地裁決定は「警察官の暴行や脅迫で自白した疑いがある」と自白の信用性を否定した。

裁判の問題点

阪原の自白には、秘密の暴露が一切無い。

阪原は警察に手で被害者の首を締めたと自供しているが、遺体には舌骨右大角部の骨折および右顔面の損傷があり、鑑定では直接手で締めたのではなく紐などを使って締めたという結果が出ている。

次々と浮かぶ疑問に対して、大津地裁は「逮捕に至るまで3年間が経過したことによる記憶違いである」と主張したのみで、それ以上に阪原が犯人だという決定的な証拠が皆無であること」

2・ずさんな警察及び検察

 

事件当日のアリバイも第2次再審請求審での新たな証言を踏まえて検討した。

確定判決は、知人宅で酒を飲んで寝ていた、とする元受刑者の主張を虚偽と認定したが、「虚偽と認めるには合理的な疑いが生じた」と強調した。

また裁判資料となった犯行の様子を再現し、撮影したフイルムのネガに警察の強要が疑われるものが見つかっています。

容疑者が犯行の内容を知らないということで、警察が「こういう風にしろ」と強要してそれを撮影した疑いが強いということです。

ネガは撮影順に画像が並んでいるのに対し、警察検察が証拠として提出したものは明らかに強要を疑わせるものばかりでした。

私がこの再審決定で驚いたのは、このような警察の強要による犯行捏造が1980年代においても行われていたことです。

私の知っている冤罪事件は1950年代や60年ごろのものばかりでした。

私の気持ちの中で1980年代はまだ最近なので、最近になってもこのようなずさんな捜査が行われていたということが驚きです。

驚くと同時に、誰でも犯人にされてしまう恐ろしさを感じます。

 

3・なぜ冤罪が起きるのか?あなたも知らないと危ない

 

まずこのような冤罪事件はほとんどが「田舎」で起きているということです。

日野町は滋賀県の人口2万人ほどの町です。

そのような田舎ではほとんど凶悪事件は起きません。

私の住んでいる地域でも、殺人事件は40年か50年に一度しか起きていないと思います。

つまりそういう田舎では、警察自体に凶悪犯罪を担当した人もいないし、ノウハウもありません。

そこで県警本部に応援を仰ぐということになると思いますが、そうなると今度は応援に来た捜査員に土地勘がありません。

応援に来た捜査員は、というか警察はだいたい次のようなやり方で捜査を行います。

聞き込みなどで情報を収集し、その情報に当てはまる「犯行の仮説を立てる」のです。

その仮説に合致しそうな犯人像を設定し、そのような人物を容疑者として探します。

こういうやり方をするのですが、犯行の仮説は先輩刑事の以前担当した事件がベースとなります。

その刑事の経験が元になり、それ以外は考慮されないのです。

その結果、組み立てた「仮説」が彼らの中でいつの間にか真実となってしまい、それ以外の可能性は端から考慮されないということになります。

本当のことを言います!

多くの場合、犯人像は「情弱」な人物です。

50年ほど前の多くの冤罪事件の犯人とされてしまった人物は、ハッキリ言ってあまり頭のよくない人でした。

仕事も「底辺」と呼ばれるようなものが多く、決して上流階級の人物が「仮説の犯人像」になることはなかったのです。

これは大変危険なことです。

そのような「底辺」の人で、あまり頭のよくない人というのは脅しに弱いところがあって、警察の脅迫まがいの取り調べに混乱し虚偽の自白をしてしまったのです。

日野町事件でも、ひどいことがありました。

「被害者の経営する店でコップ酒を飲む常連客であった阪原弘さん(当時53歳)が日野警察署に呼び出され、連日のように取り調べを行い、「認めなければ、娘の嫁ぎ先に行ってガタガタにする」「親戚や近所を火の海にしてやる」などと脅しや暴行を加えました。

阪原さんは、平常な判断力をなくし、ウソの「自白」をさせられました」ということです。

まとめ

 

次回は私の受けた検察の取り調べでわかった、冤罪を生む検察の手口を解説します。

警察や検察に対しては、味方ではなく敵である、言いなりになると犯人にされると心得るべきなのです。

この事件でも地裁の再審決定に対し、検察が即時抗告して抵抗しています。

検察は自らにどんなに落ち度があっても決してそれを認めようとはしないので、正義の味方ではありません。

それを知っていないとひどい目に遭う可能性はあなたにもあることを、次回お知らせします。

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