モナリザを盗んだ男「パブロ・ピカソ」最後の大どんでん返し
あるはずの絵が無い
1911年の夏、『モナリザ』のスケッチに来た画家がルーブルの壁にあるはずの絵が無いことを見つけた。
すぐに警察に通報、大事件となったのです。
その容疑者として浮かぶあがったのは、29歳の売れない画家。
名前は「パブロ・ピカソ」。
無名時代の、あの「ピカソ」でした。
警察の尋問に29歳のピカソは激しく動揺しました。
モナリザは、若きピカソによって盗まれたのでしょうか?
1・ピカソの絵は?
ピカソの絵として日本人に最も有名なのは、おそらくゲロニカでしょう。
そしてピカソは立体主義(キュビスム)の創始者で大家として有名ですが、キュビスムの代表作がゲロニカでもあります。
しかし美術の素人である一般人の忌憚のない感想を言うと、「本当にピカソってうまい画家なの?」ということでしょう。
キュビスムで描かれた美女の顔は正面から見た輪郭に、真横から見た鼻がくっついているような子供でも下手だと思うような絵なのですから。
どうしてピカソは、あんな下手な絵を描くようになったのでしょうか?
そしてピカソは、どうして世界的に有名な画家になれたのでしょうか?
*****
ピカソは子供時代「神童」と呼ばれるほど、絵のうまい少年でした。
父親は美術教師で、その父親が、息子は絵がうまいというほどの子供でした。
あるエピソードがあって、ピカソ本人が面白いことを言っています。
それは「自分は子供らしい絵を描いたことがない」というものです。
つまり生まれつき絵がうますぎて、子供が書くような絵を描くことができなかったそうです。
あのキュビスム時代の絵からは想像できませんね。
西暦1900年、ピカソ19歳の時スペインのバルセロナからパリへ絵の修行に出ます。
当時行動を共にしていたのは、親友の画家カルロスでした(カルロス・カサヘマス)。
カルロスは裸婦モデルに恋をしてしまい、それが叶わず自殺してしまうのです。
ショックを受けたピカソは、それ以降描く絵の色調が青を基調としたものになってしまいます。
それはピカソの落胆と孤独を象徴する色で、この時代のピカソの絵は「青の時代」と呼ばれ、大変高価です。(1900年-1804年)
「青の時代」の絵に、カルロスと裸婦モデルが裸で抱き合う絵があります。
それは普通にうまい絵なのです。(人生 ラ・ヴィ1903年)
その後ピカソに初めての恋人ができます。
するとピカソはうつ状態から躁状態になって、絵の色が変わります。
この時代が「バラ色の時代」です。
躁状態になったピカソはいろいろな実験を始めます。
その絵の実験をともに行ったのが、ブラックでした。
今日では、ピカソとブラックがキュビスムの創始者と言われています。
絵の実験の中で「絵のうまいピカソ」が、当時凝っていたアフリカ原住民の仮面からヒントを得た絵を発表します。
その絵は、青の時代、バラ色の時代とは似ても似つかぬ、漫画のような線で構成されたものでした。
その絵が、「アヴィニョンの娘たち」です。
ところがこの絵は最初、「娘たち」ではなく衝撃的なタイトルだったのです。
2・「娘」ではない?
キュビスムの最初の絵が、「アヴィニョンの娘たち」ですが、最初のタイトルは「アヴィニョンの売春婦」でした。
というのはアヴィニョンは売春宿が多いことで有名だった場所で、そこの売春婦をモデルにしていたからです。
どちらにしてもピカソは何人もの裸婦モデルを、漫画のような線で構成された線で描いてみたかったのです。
当時ピカソは、アフリカ原住民の仮面に影響を受けており、「アヴィニョンの娘たち」の右上の女性の顔はまさに原住民の仮面そっくりです。
そしてこの絵の中に、正面から見た輪郭に、真横から見た鼻がくっついているようなキュビスム特有の描き方が現れています。
そもそもキュビスム(立体主義)とはなんでしょうか?
これはピカソやブラックが名付けたのではなく、それらの絵を見た批評家が名付けたものです。
キュビスムのキュビはルービックキューブのキューブと同じ意味で、立方体を意味します。
ブラックが描いた家の絵がまさに立方体だったのでこういう名前が生まれたのですが、ピカソの場合立体というより違う意味を持ちます。
それは二枚の写真を立体的にくっつけたものを絵にしたという感じの、「立体主義」なのです。
ある美女の顔を正面からと真横から写真に撮ります。
そして正面からの写真に真横から撮った鼻の写真を貼り付けます。
それを絵にしたものが、キュビスム時代のピカソの絵なのです。
どうしてピカソはこういう絵の描き方に行き着いたのでしょうか?
そしてこんな絵が売れたのはなぜなのでしょうか?
3・売れた理由
売れた理由は二つです。
これは現代でも通用する金持ちになれる仕組みでもあります。
1・権威ある人により評価された
1・権威ある人により評価された有名人が、これまでの「権威」を破壊した
つまり東大出のエリートが「大学教育なんて屁の役に立たないよ」みたいなことを言って、今の教育を否定するようなものです。
しかし同じ言葉をFラン大学中退の男が言っても、まったく通用しません。
負け犬の遠吠えにしか聞こえません。
既存の権威を破壊できるのは、既存の権威の中から出てきたものだけです。
例えば宇多田ヒカルのデビュー時にそういう雰囲気を感じました。
ピカソの何人目かの恋人が社交界に縁のある貴婦人で、その人が富裕層にピカソの絵を売り込んだのです。
そして一風変わったピカソの絵が大うけしたから、パリでピカソが有名になりました。
そこから世界的画家になっていったのです。
初めからあんな変な絵を描いていたのではありません。
——
解剖学者の布施英利がモナリザの微笑みは、本当に「微笑なのか」という興味深い論文を書いています。
それによると、モナリザの口角があがっているから微笑んでいるように見えるけれど、パーツパーツを注意深く見ると決して笑っていないと結論付けています。
眼などは、ちょっと怖ろしい感じさえすると言っています。
それなのになぜ、微笑んでいるように見えるのでしょうか?
数多くの女性の絵がある中で、なぜ「モナリザの微笑み」が世界一なのでしょうか?
解剖学者の布施英利氏によると、そこにはレオナルド・ダビンチの企みがあると言います。
じつはモナリザの絵というのは、ちょっとだけ「下手な絵」なのです。
モナリザはわずかに左を向いていますが、顔の部品をよく見ると違います。
例えば上唇と下唇の向きが少しだけ違うのです。
下の唇は顔の輪郭と同じく左を向いていますが、上唇は正面を向いています。
左右の眼でもおなじようなちぐはぐさがあると、布施英利氏は分析しています。
なぜこういう書き方をダビンチはしたのでしょうか?
それは脳の構造です。
顔の輪郭は左を向いているのだけれど、唇や目が違う方向を向いていると、それを見た脳が混乱するのです。
その混乱の正体がわからないので、脳は理由を考えます。
そのような脳の活動の結果、モナリザの絵が印象深くなるのです。
笑うべきところでない場面で、自分を見てわらった美女はミステリアスに思えます。
それと同じ印象深さです。
そして口角の上がったところがその理由だと脳は考えて、「不思議な微笑みのせい」で脳が混乱したと結論付けるのです。
これが、レオナルド・ダビンチの企みです。
「モナリザの微笑み」が世界一の絵になった理由なのです。
まとめ
ピカソの美女の絵は、正面から見た輪郭に、真横から見た鼻がくっついているような感じに描かれています。
それはまさにレオナルド・ダビンチがモナリザで密かに使った技法と同じです。
レオナルド・ダビンチはバラバラの方向を向いている顔のパーツで、見る人を幻惑しました。
ピカソも若い時、モナリザを盗んだという嫌疑をかけられるほどモナリザを研究したのでしょう。
そして天才は天才を知ります!
ピカソは、モナリザの秘密を見抜いたのでしょう。
それを大胆な形で、自分の絵に反映させたのでした。
それが「アヴィニョンの娘たち」です。
あんなに奇妙な画風に急に転換したのは、ピカソがまさに天才であって、既存の権威より自分の感性が優れていると信じたからなのでしょう。
※ピカソはモナリザの秘密を盗んでキュビスムに変えた
北川景子さんにモナリザ的加工を施す(右側)
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