なぜ急にウクライナ問題が起きたのか？世界の常識を日本人は知らない。2分でわかります

なぜ急にウクライナにロシア軍が

侵攻しようとするのか、ご存知でしょうか？

じつはこれはあなたにも関係がある問題だとしたら、地球の裏側のことでも放っておけるでしょうか？

わかりにくい東欧の事情を、わずか二分でサクッと説明しています。

職場で「ウクライナって？」と聴かれた時、あなたもスラスラ答えることができますよ。

知らないと恥ずかしい「ウクライナ情勢」について、2分で説明しています。

1・ウクライナってどこ？

「ウクライナってどこ？」の前に、あなたに難しいクイズです。

世界地図を見ると、カスピ海とか黒海とかありますね。

あそこって巨大ではあるけれど、どう見たって湖であって、海じゃないですね？

でもカスピ海とか黒海とか呼ばれています。

なぜなんでしょうか？

答え　湖と海はまるで違うから

日本で一番大きな湖は琵琶湖ですが、琵琶湖は滋賀県にあります。

滋賀県は日本の一部ですから、琵琶湖自体も日本の領土に属します。

わかりますね？

ところが淡路島は兵庫県に属しますが、淡路島と明石の間の海峡は日本の領土でしょうか？

違います、明石海峡は日本の領海ではありますが、海なので「領土」ではありません。

これからわかることは、「海」の場合海岸線から1センチでも離れると、そこは領土ではなくなるということです。

琵琶「湖」なら湖の底が日本の領土になっています。

これが湖と海の違いです。

カスピ海や黒海を湖だとしたなら、湖の湖底が領土になるので奪い合いが起きてしまいます。

そこで、誰が見ても湖なのですが、領土問題が起きないように「海」と呼ぶことにしたのです。

つまりカスピ海や黒海周辺とは、そういう複雑で難しい問題がある地域なのです。

ウクライナは、黒海の北岸に位置する国で地図でいうと右側でロシアと接していて、左側にポーランドがあります。

この辺りは、ロシア語・ウクライナ語・ポーランド語が使われる地域ですが、これらはまったく違う言語と言うよりお互いが方言みたいな感じだそうです。

つまり日本でいうと関西弁と東京弁と鹿児島弁とか、そういう感じになります。

歴史的に、同じ国だったり支配したりされたりの地域なのです。

じつはウクライナがロシアの本家なのです。

ウクライナで出来たキエフ大公国があのあたりを支配していたのですが、13世紀ごろにモンゴルに侵略され分裂しました。

その中の大きい国がロシアになったので、ロシアの本家はウクライナにあったキエフ大公国なのです。

その後共産党革命が起きてソビエト連邦ができて、ふたたびロシアとウクライナは同じ国になりました。

ところが1991年にソビエト連邦が崩壊分裂して、元のロシアとウクライナおよびその他の国に戻りました。

最悪の原発事故が起きたチェルノブイリはウクライナにあった

2・ロシアとの関係

なぜロシアが分裂後もウクライナを支配したいかと言うと、そのひとつにウクライナには広大な農地があるためです。

そこで取れる小麦をパンにしないとロシアの人々が飢えてしまうのです。

もうひとつは、黒海に進出するための港がウクライナにあるためで、軍事的な理由です。

じつはソビエト崩壊時にロシアでは混乱が起きて、とてもウクライナや周辺諸国を自陣に縛り付けておくことができませんでした。

それに目をつけた欧米諸国が、ＮＡＴＯ（北大西洋条約機構）を拡大して東欧諸国も西側軍事同盟に入れていったのです。

ポーランドもＮＡＴＯに加盟したので、その次にウクライナも加盟するとロシアのすぐそばまで西側軍事同盟が迫ってくることになります。

ロシア、特にプーチン大統領はこれが嫌なのです。

じつはウクライナの中に親ロシア派と親欧米派がいて、ウクライナ南側は親ロシア派でしかも言語もロシア語を使っています。

北側はウクライナ語を喋っていて、親欧米派というか歴史的にポーランドと仲がいい地域です。

そしてウクライナの大統領選挙ではこの二つの地域で真っ二つに分かれている、そういう歴史がある政治状況なのです。

つまり、ウクライナとロシアの関係と言うのは、朝鮮半島と中国の関係にそっくりなのです。

3・朝鮮半島と中国の関係にそっくり

中国も共産党革命で生まれた国ですが、日本は西側なので朝鮮半島が西側になると中国のすぐそばが西側の支配地域になります。

それを嫌がった中国が戦後のどさくさに紛れて、金日成と言う人物を担ぎ上げて起こした戦争が朝鮮戦争です。

朝鮮半島でこれが起きたとき、反共産党勢力をアメリカが支援した結果、大規模な戦争になりました。

結局その戦争は休戦状態になり、朝鮮半島の北側は北朝鮮になって南側は韓国になりました。

ある意味、中国の目論見は達成されました。

ウクライナも朝鮮半島と同じように、西側との緩衝地帯の役割があって、ロシアはここをＮＡＴＯ軍に渡すことだけはしたくないのです。

これが、何年かに一度、ロシアがウクライナにちょっかいをだす一番の理由です。

※ロシアにとってウクライナは、中国にとっての朝鮮半島と同じ

スターリン

まとめ

それでは、ウクライナも朝鮮半島と同じように親西側諸国と親ロシアの地域に分裂すればいいではないかと思われるかも知れません。

しかし、ウクライナ人はロシアに対し恨みがあります。

スターリンは一度、ウクライナ人をすべて抹殺しようとしたことがあるのです。

先にも説明したようにウクライナは豊かな農業地帯ですが、ここで取れた小麦をすべてウクライナ人から取り上げたときがありました。

ソビエト時代に共産主義による徴税のような形で、食料である農産物をすべて取り上げたのです。

その結果、ウクライナでは冬になるとまず最初に幼児が餓死し、次に老人が餓死し、最後には元気な大人も次つぎと餓死しました。

歴史的大飢饉「ホロドモール」と呼ばれる、20世紀最大級の虐殺です。

1932年から1933年にかけて行われました。

ナチス・ドイツが行ったユダヤ人に対するホロコーストはユダヤ人収容所だけで行われましたが、スターリンはウクライナ全土を虐殺現場にしたと言われています。

この事件はソビエト連邦が崩壊するまで世界には知らされていませんでした。

飢饉によってウクライナでは人口の20％（国民の５人に１人）が餓死し、正確な犠牲者数は記録されてないものの、400万から1450万人以上が亡くなったと言われています。

資料を見ると「農作物や食料も徴収された人々は、鳥や家畜、ペット、道端の雑草を食べて飢えをしのいでいた。

それでも耐えられなくなり、遂には病死した馬や人の死体を掘り起こして食べ、チフスなどの疫病が蔓延。

極限状態で、子どもを飢えと悲惨な現状から救うために、我が子を殺して食べることもあったと言う。」

ウクライナ人には、ロシアに対してこのような恨みがあります。

それは消えることはないでしょう。

民族意識に火が付いたとき、ロシアに戦いを挑むということは十分あり得る地域なのです。

歴史的大飢饉「ホロドモール」

 
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