第二回日本にとって中国の方がロシアよりはるかに怖ろしいのはなぜか?
2022/03/20
中国がなぜ怖いかというと、
国の文化が西側諸国やロシアなどと根本的に違うからです。
根本的に違う理由は、中国の宗教が、神の存在しない宗教というべき「儒教」だからです。
人間をはるかに越えた存在である「神」を頂点に据えて、神を畏れる気持ちがあるのが普通の国なのです。
それはイスラムでもキリストでも、ブッダでも同じですが、神の存在しない宗教では人間より高い存在を想像できなくなります。
そういう文化を持つ国が、中国なのです。
この文化は二つの特徴を持つようになります。
この記事は前回の続きです。

1・一つ目の特徴
陰陽と気の理論で宇宙を説明するのが、「易」の基本的な考え方で儒教の基本もここにあります。
陰陽と気の理論を現実生活に役立たせようとするのが、占いとか風水とか気功です。
それがもっと超能力的なものにまで行くと、仙人になる術になって、仙道とか道教とか呼ばれるものになります。
古代中国でも魔物や悪魔的な存在は信じられていましたが、それは西洋の魔物・悪魔とは大きく違うことがありました。
中国の魔物や悪魔はあまり強くないのです。
というより、西洋的な魔物や悪魔の方が異常に強い存在です。
エクソシストという映画を見たことがあるなら、悪魔祓いが死と隣り合わせの仕事であるとわかると思います。
なぜならキリスト教の悪魔とは、神に匹敵する力を持つからです。
そうでないと、聖書の中で神と対峙することができません。
だから神のいる宗教における悪魔(魔物や妖怪も)は、強大な力を持つことになります。
ところが仙道とか道教の魔物(悪魔と呼ぶよりこっちの方がぴったりします)は、あまり強くありません。
キョンシーという映画では、顔にお札を貼られた魔物が登場しましたがあれは強くありません。

中国の魔物のイメージはキョンシー的です。
だから、気功という人間の体内の気を高める修業をした人は、キョンシー的魔物(悪霊)を操ることができます。
これが仙人の術の基本原理の一つです。
中国の文化では、悪魔や魔物や悪霊でさえも人間が使役できるほどの存在でしかありません。
これが日本に伝わり陰陽師になりました。
式神という考えにこれが現れています。
こんなふうに弱い悪霊であるのなら、それを西洋のサタンのように怖れる文化は生まれにくくなります。
また、実用的であることを何よりも重んじる中国では、人間が使役できる魔物という考えが普及します。
これが呪いとか、金運の現世利益信仰になっています。

2・この特徴がどう影響したか?
神のいない宗教においては、仙人的超人だけでなく普通の人でも呪符の術のような魔法で悪霊を支配できるのです。
そのような「使い神」を使って金銭的欲望や異性への欲を願望実現できるとされたのが、仙道や道教です。
ですから現実的・即物的・通俗的で、神との契約のような倫理観を持ちえません。
彼らには、悪いことをしたら死後に地獄に落ちるという感じ方がないのです。
これが中国人の倫理観の無さの正体です。
一方で神がいないのですから、神に変わるものが欲しくなります。
そうなると超自然なもので身近に想定出来るのは、「ご先祖様」になります。
死んだ人は、悪霊になると信じられたので、死んだ人は悪霊になれるぐらいのパワーがあるとも信じられました。
だからご先祖様を大切にして、墓を豪華に壮大にする思想が生まれました。
ご先祖様を大事にして、祈れば一家が繁栄して金持ちになれると考えたのです。
これは日本人が神社の神様に祈る気持ちと同じような感じです。
つまり中国式宗教の神とは、ご先祖様までであって、それ以上の超自然の存在はいませんでした。
しかも悪霊や魔物もそれほど強くないので、ご先祖様のパワーが強い場合は蹴散らしてくれるだろうと考えられました。
こういう考えは、「家」が一番という思想になって行くのです。
中国人が昔から国家を信用しないのは、「家」が一番という思想、ご先祖様のパワーが強いと幸せになれるという考えがあるからです。
高尚なことを考えるにしても、「家」止まりです。
だから世界平和とか、国家の安寧などには興味がありません。
「家」や「一族」が大事という中国人は、この思想があるからわがままで利己的で傍若無人になったのです。

3・中国という国
ですから中国人には、国家という考え方もなければ国民という考え方もありません。
あるのは、「家」や「一族」が大事というところまでです。
脱税やワイロが、まかり通る社会になるのは当然です。
何度も言いますが、神という絶対超越者が頂点にいないと、現実を超えた高い抽象世界のボス猿的なものを想像できないのです。
神とは「究極のボス猿的なもの」なのです。
「究極のボス猿的なもの」の下に、地球の裏側の人とでも連帯する心を持つことができます。
中国の文化にはこれがないので、「家」や「一族」という抽象度が一番高いものになってしまうのです。
そいう人民を従わさせるには、現実レベルの利益と懲罰しかありません。
中華人民共和国は、それに成功した国家なのです。

まとめ
中国人は「家」や「一族」というレベルまでしか、大切なものを考えることができないのです。
それさえ満たされるなら、世界平和などどうだっていいと考える人が多いのです。
世界平和などどうだっていいと考える国民が支持する政府が、中国共産党政府なのです。
それ故中国の政治家は、私腹を肥やすために政府を利用し、己の地位を最大限に生かして金儲けに走ります。
中国人は、私腹を肥やすためには戦争もいとわなくなる性質を持つようになります。
次回は、儒教の本当の恐ろしさを説明します。

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