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第三回日本にとって中国の方がロシアよりはるかに怖ろしいのはなぜか?

   

中国がなぜ怖いかというと、

国の文化が西側諸国やロシアなどと根本的に違うからです。

根本的に違う理由は、中国の宗教が、神の存在しない宗教というべき「儒教」だからです。

人間をはるかに越えた存在である「神」を頂点に据えて、神を畏れる気持ちがあるのが普通の国なのです。

それに代わり、古代中国の宗教ともいえるのが「儒教」です。

しかし儒教には、神が登場しません。

その代りあるのが、「人間最高!」という思想です。

この記事は前回の続きです

前回はこちら

1.儒教とは何か?

儒教以前にあったのは「易(易経)」という宇宙の成り立ちを陰陽と気の理論から説明したものです。

「易」の理論ではすべては気によって説明できるとされていて、人の性質なども気によって決定されているとされます。

だから四柱推命のような誕生日占いで、性格や運命がすべて計算できるということになります。

そして何もしないと、人間は獣の様に堕落したものになると考えられました。

そこで儒教では、易でいう「獣的人間」に対し、素晴らしい人間性を得られる教養の書物が重要だと考えられました。

これが、『書』・『詩』・『礼』・『楽』・『春秋』と「易経」という儒教で最も大切な「六経」です。

ただし『楽』は行方不明になっていて、現在では「五経」です。

これらから発展して孔子が書いた書が「論語」です。

あと、孟子などもありますが、いずれも人間としての教養を磨くことで、本来獣に堕しがちな人の本性を素晴らしいものに昇華させることが目的です。

つまり簡単に言うと、「論語」を読み実践すれば素晴らしい人格者になれるという自己啓発系の元祖です。

2・儒教の大きな欠陥

儒教には大きな欠点というか、本質的間違いがあります。

それは人の本質は獣的なもので悪であるという出発点です。

たしかに人の本質は「獣的」なものだと私も思いますが、「獣的」なものは「悪」なのでしょうか?

動物の母親はほとんどが我が子が危険にさらされた時、飢え死にしそうな時、自分の命と引き換えに守ろうとします。

こういう気持ちや行動が「愛」の原点ではないでしょうか?

儒教が獣的なもので悪であるというのなら、そういう「愛」も否定されてしまいます。

このような欠陥は、頭でっかちの哲学者が机上の空論だけで結論を出した時に発生します。

出発点が間違っていれば、途中の論理がどれほど正しくても正しい結論に至ることはできません。

ところが、インテリは途中の論理が素晴らしいものであれば、それに幻惑されてこれほど素晴らしい理論の結論が間違っているはずがないと思いこむのです。

いったん儒教をまとめますと、「本来獣に堕しがちな人の本性を、「論語」を読み実践すれば素晴らしい人格者変えることができる」という思想です。

古代中国では科挙という公務員試験がありましたが、その内容は「五経」をどれほど理解しているかを問うものでした。

すなわち儒教では、「論語」や「五経」を知っていることが人格者となる必須条件だったのです。

科挙は隋から清の時代まで、約1300年間も続けられたのです。

これに合格しないと、公務員になることは出来ませんでした。

つまり古代中国で1300年にもわたって、儒教思想を理解していないと国の運営に携われなかったのです。

これは現在でいうと、弁護士にとっての六法全書にようなものです。

中国という国は、儒教思想を理解し体得した人物によって運営される宿命にあったのです。

これほどまでに、中国では上に儒教があり、下には易の発展した道教があったということです。

それらは「神のいない宗教」なのです。

儒教で崇拝されるのは過去の偉人だけ

3.中国政治の欠陥

中国という国は、儒教思想を理解し体得した人物によって運営される宿命でした。

それは民主主義と正反対です。

なぜかというと、人の本質は獣の様に野蛮なので、大衆に任せると何をしでかすかわからないと考えられたからです。

そういう無知で粗暴な民衆は、「論語」や「五経」を知っている人格者が指導して初めて、正しい道を行くことが出来ると考えたのです。

だから科挙に合格したものでないと、人の上に立つことができない制度になっていました。

すなわちこれは、エリート思想です。

一般人よりすぐれたエリートが無知な大衆の上に立ち、指導することが理想の体勢だと固く信じられたのです。

ところがこれには、非常に重大な間違いがありました。

エリート教育

まとめ

エリートが無知な大衆の上に立ち、指導することが理想の体制だというのですが、そのエリートは誰がエリートだと認定するのでしょうか?

本来「エリート」の意味は「選ばれたもの」というものです。

「選ばれたもの」は誰かによって選ばれたから、「選ばれたもの」になります。

選んだ「誰か」は、エスタブリッシュドと呼ばれます。

エスタブリッシュドとは、「確立されたもの」という意味で、つまり体制側のことです。

すなわち儒教思想型政治では、体制側によって選ばれた「エリート」が民衆の上に立ち指導する形になります。

これって、共産主義体制そのものではありませんか?

そうです。

ロシアに生まれた共産主義ですが、本家ソビエトで滅んでも中国において生き長らえたことには理由がありました。

中国という国は歴史上ずっと、共産党一党支配と同じ政治体制が続いた国だったのです。

それは、体制側によって選ばれた「エリート」が民衆の上に立ち指導する形です。

体制が儒教型から共産党に変わっただけで、形態的には変わっていなかったのです。

ですから中国国民は、民主主義を経験したことが無く、一族が繁栄したらそれ以上の政治はどうでもいいという民衆なのです。

こう考えると、中国が民主主義になることは限りなく難しいと思えます。

しかもその民衆が、14億人もいるのです。

関連情報

日本にとって中国とロシア、どちらが怖いか?
 

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