共産主義思想はどうして世界中に広まったのか？

共産主義に染まった人は、

どうしてあれほど頑迷な共産主義信者になってしまうのでしょうか？

その理由は意外なことにありました。

じつは「ネッシー」がいると信じられたのと同じ理由だったのです。

「ネッシー」って、あのスコットランドにいるとされる、ネス湖のネッシーのことです。

1・ＵＭＡといえば「ネッシー」

ネッシーは大昔からネス湖に住んでいる未確認動物というか、怪物です。

史上最古の記録は、690年頃にアダムナーンが書いた聖コルンバの伝記『聖コロンバ伝』だそうです。

『聖コロンバ伝』に、565年に目撃されたネス川の怪物のことについて記述しているそうです。

目撃例が飛躍的に増えたのは1933年以降で、これはネス湖周辺の道路がこの頃整備されたためということらしいです。

そして「「ネッシー」の存在が高い信憑性がある」ということになった事件がありました。

それはロンドンの外科医、ロバート・ケネス・ウィルソンは1934年4月の早朝突然湖面に現れたネッシーを、持っていたカメラで撮影しました。

これが有名なネッシーの写真で、「外科医の写真」と呼ばれています。

「外科医の写真」

これがきっかけとなって、ネッシーの存在が世界中に知れ渡りました。

しかし「外科医の写真」は偽物であったことが、後にハッキリわかりました。

じつはウィルソンの医師は外科医ではなく、本当は産婦人科医だったそうです。

「1993年11月、クリスチャン・スパーリングという人が死の間際に、この写真がトリックであったと告白した。

告白によると、首謀者は彼の養父マーマデューク・ウェザラルであり、彼らは、自ら発見したネッシーの足跡を偽物と判定された意趣返しに、

おもちゃの潜水艦に30センチメートルほどのネッシーの首の模型を付けた物を撮影したという。

そして、知人であるウィルソンの医師という社会的地位に目をつけ、偽証を依頼したとのことである。」

最初はエイプリルフールの冗談で済まそうとしたことだったようです。

ところが騒ぎが大きくなりすぎたので、取り消すことができずにいたら世界中に知れ渡るほどのニュースになったというのが真相でした。

日本のテレビでも「ネッシー捜索」の番組が造られるほど有名になったネス湖の怪物ですが、どうもいないという結論になりつつあります。

日本でもこれと似た経緯の「怪物」がいます。

2・ツチノコ

ツチノコとは未確認動物の蛇の一種だと言われる「怪物」です。

怪物と言っても長さ30センチほどですので、ネッシーよりかなり小ぶりです。

その歴史は古く、縄文時代の石器にツチノコに酷似する蛇型の石器があります。

奈良時代の『古事記』、『日本書紀』にはカヤノヒメ神の別名であり野の神、主と書かれています。

1712年、寺島良安が記した『和漢三才図会』第四十五巻　竜蛇類に「野槌蛇」の名称でツチノコの解説があります。

東北地方ではバチヘビとも呼ばれ、ほかにもノヅチ、タテクリカエシ、ツチンボ、ツチヘビ、土転びなど日本全国で約40種の呼称があるそうです。

つまり日本中に目撃談があると思われます。

このツチノコですが、1970年代になって急に目撃例が増えてきます。

ツチノコが有名になった時、2億円の懸賞金がかけられたときがありました。

そして1970年代のツチノコは正体がわかっています。

ツチノコの正体はインドネシア、オーストラリアからペットとして輸入された、アオジタトカゲが逃げ出して野生化したものだと言われています。

アオジタトカゲは、外見の特徴がツチノコそっくりなのです。

トカゲなので脚がありますが、胴体に比べて非常に小さくちょっと見ただけではわかりません。

本当にアオジタトカゲはツチノコそっくりです。

もう一つ大きな理由があります。

なぜ野生化したアオジタトカゲを見た人が、ツチノコだと証言したかというと、それ以前に日本の伝承として「ツチノコ伝説」があったからです。

もし1970年代に逃げ出して野生化したアオジタトカゲを見た人がいても、「ツチノコ伝説」がなかったならあれほど有名になることはなかったでしょう。

これはネッシーという怪物の言い伝えが大昔からあったから、「外科医の写真」が世界的に有名になったのと同じ理由です。

人は「それに該当する言葉や概念」をあらかじめ持っている時、不完全な情報でもそれに当てはめようとするのです。

幽霊らしきものを見た人が「幽霊を見た」と証言するのは、「幽霊という言葉」を見る前に知っていたからです。

じつは共産主義も同じメカニズムで、世界中に広まったのです。

共産主義が広まったメカニズム

3・古代共産主義

「共産主義の源流とされる思想の歴史は古く、プラトンの国家論、キリスト教共産主義などの宗教における財産の共有、空想的社会主義と呼ばれる潮流における財産の共有、フランス革命でのジャコバン派、一部のアナキズムによる無政府共産主義などがある。」とウイキペディアにあります。

共産主義的理想の社会システムというのは、プラトンの昔から考えられてきました。

プラトンは偉い人

プラトンの『ポリティア』などに見られる設計主義的な社会改革理論が社会主義や国家主義の起源となったとされています。

紀元前300年ごろの人ですから、プラトンに影響されてそのほかにも理想の社会システムを考えた人が大勢いたはずです。

そして理想の社会システムを考えれば、皆が平等なものにしようとするはずで、それは共産主義的なものになると容易に想像できます。

しかし中世の専制君主の時代には、それは夢想に過ぎなかったでしょう。

ところが産業革命以降のモノが大量生産できる豊かな時代になった時、マルクスやエンゲルスが緻密な理論体系として共産主義を発表したのです。

資本主義社会の格差に絶望していた人々が、その共産主義に飛びついたことはある種当然だったでしょう。

しかしもう一つ理由があります。

多くの人が「共産主義思想」に魅了されたのは、プラトン以降多くの学者が「理想の社会＝共産主義」という図式を語っていたからです。

ネッシーのように、ツチノコの様に、古くからその存在と名前が知られていたから、人々が信じる土壌があったのです。

ネッシーが「外科医の写真」で有名になったように、

逃げ出したアオジタトカゲの目撃談でツチノコの信憑性が増したのと同じメカニズムで、共産主義が急速に世界に広まったのです。

ツチノコは古くからその存在と名前が知られていたから、人々が信じる土壌があった

まとめ

共産主義が流行り病のように20世紀の世界に広がったのは、プラトンをはじめとする有名人が「理想の社会＝共産主義」という図式を語っていたからでしょう。

もしこれが19世紀の終わりに突然言われ始めたものであったなら、あれほど世界を席巻するムーブメントにはならなかったことが確実です。

今では共産主義には本質的欠陥があることがわかっています。

それはプーチンや習近平を見ればわかりますが、一党独裁になってしまうことです。

また共産党幹部は腐敗しやすく、軍部と結託して恐怖政治を行うこともわかっています。

それなのにまだ「理想の社会＝共産主義」という図式を信じる人がいます。

日本のマスコミ人や政治家などにも大勢います。

なぜそうなってしまうかというと、人の脳のメカニズムのせいです。

人は「それに該当する言葉や概念」をあらかじめ持っている時、不完全な情報でもそれに当てはめようとするのです。

幽霊らしきものを見た人が「幽霊を見た」と証言するのは、「幽霊という言葉」を見る前に知っていたからです。

そして「幽霊を見た」と証言してしまうと、自分の言葉を否定することは難しくなります。

つまりこれは、自己洗脳になってしまうのです。

じつは共産主義も同じメカニズムで、世界中に広まったのです。

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