ウクライナ戦争の犠牲者が福井県にも?石油高騰で思わぬ被害
ウクライナ戦争に端を発した石油高騰が
思わぬ被害者を産んでいます。
福井県のある工場では、石油高騰による電力料金のために廃業の危機にあるというのです。
それほど電気料金が値上がりしてるわけでもないのに、いったいなぜでしょうか?
1・安いはずだった電気代
福井新聞から
「福井県嶺北地方の繊維関連企業の50代社長が福井新聞の取材に応じ、電気料金高騰の実態を語った。
燃料価格高騰を背景に昨秋以降急激に上昇し、割安だった昨春の電気料金に比べて今年1月分は約4倍に。」
この社長さんは、新電力と呼ばれる電力自由化で生まれた電力会社と契約を結びました。
そのころ、新電力と契約すると電気料金が半分以下になると思われたからです。
実際、月の電力料金が20万円弱だったのが新電力にしたら7万円ほどになったのですから断然お得でした。
ところが新電力の電力料金は、「市場連動型」料金プランと呼ばれるタイプだったのです。
最近の円安と石油の高騰のダブルパンチで、7万円ほどだった電力料金は跳ね上がりました。
2・腰を抜かす
「突然、11月の電気料金が当座預金の残高不足で引き落としされていない、と通知が来た。
料金を確認すると31万円超。北陸電と契約していた頃でも20万円以内に収まっていたのに、「見たこともない金額」に跳ね上がっていた。
12月も33万円台、今年1月分は38万円超と上がり続けた。
燃料価格高騰による昨秋以降の卸電力価格の急激な上昇をもろに受け、料金明細にある1月の平日ピーク単価は昨年4月に比べて4倍近くになっていた。」福井新聞
さらに追い打ちをかける事態が起こります。
あまりの電気料金の高さに新電力をやめて、元の北陸電力に戻そうとしたのですが、できませんでした。
この社長さんと同じように新電力の価格高騰に、元の北陸電力に戻そうとした事業場が多すぎて北陸電力が受け入れをストップしてしまったのです。
実際、人生において思いもかけない事態が持ち上がることは時々起きるものです。
そういう事態は「ブラックスワン(現象)」と呼ばれます。
3・なぜ黒い白鳥?
昔、ヨーロッパではあり得ないことを「黒い白鳥(ブラックスワン)」と呼んでいました。
白鳥は白いと決まっているからです。
ところがオーストラリア大陸が発見された時、そこには本当に「黒い白鳥」が棲んでいたのです。
それ以来、あり得ないと思われたことが起きることを「ブラックスワン(現象)」と呼ぶことにしたのです。
「ブラックスワン(現象)」とは、絶対に起きないでしょ!と思われたことが起きてしまったことを言います。
この社長さんの身に起きた、電力料金が4倍になったことはまさに「ブラックスワン」です。
この現象で破滅する事態が起きる場合には、「ある特徴」があります。
この特徴を知っていれば、「ブラックスワン」が起きても何とか生き延びることができます。
その特徴とは?
それは変化の大きさではなく、変化のスピードが破滅の原因だということです。
私の住んでいる地域では暑い時は気温40度ぐらいで、寒い時には-7度ぐらいになります。
約50度の温度差があります。
しかしそれは一日に起きるわけではなく、冬の一番寒い朝が-7度で、夏の一番暑い午後が40度ぐらいです。
約半年かけて50度の気温差が発生するので、その気温差で体が持たないということはありません。
もしこれが一日の気温差だったら、すぐに体調を崩すでしょう。
ゆっくり変化する場合は大きな変化でも耐えられるものです。
例えば1000万円の借金を一度に造ってしまったら、破産を考えないといけないかもしれません。
ところが同じ1000万円の借金でも、50万円の借金を20回に分けて造ったのだとしたら意外に平気なものです。
1000万円の借金という環境に慣れる時間があるからです。
ブラックスワンというと、環境の「大きな変化」が命取りになると思われがちですが違います。
「大きな変化」より「急速な変化」の方が命取りになる場合が多いのです。
恐竜絶滅の原因は急速すぎる変化
まとめ
ウクライナ戦争はウクライナの人々にとってまさに、「ブラックスワン(現象)」になっているかもしれません。
しかし戦争状態になってすでに一か月が過ぎています。
一か月もの日々を生き延びたということは、大きな変化だったかも知れませんが「急速な変化」の時期はすぎたと思われます。
人生においても同様であって、「大きな変化」が命取りになると思われがちですが違います。
急速な変化が起きたときに、対応できないとヤバイ事態になりがちです。
※「ブラックスワン(現象)」とは大きな変化ではなく、「急速な変化」を言う
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