ウクライナ戦争で国連が役に立たないのはなぜか?
ウクライナ戦争でも北朝鮮のICBM発射でも、
国連決議が役に立たないことがわかりました。
元々安全保障会議では何の効果もないことは指摘されていましたが、今回の騒動で全く役に立たないことが露見しています。
国連決議が役に立たない
その理由は、意外なものでした。
1・国連が役に立たない意外な理由
その理由は民主主義が、他の政治システムより「弱いこと」にあります。
国連安全保障理事会の常任理事国には、「拒否権」があって一国でも反対するとその審議は無効になります。
常任理事国は、中国、フランス、ロシア、英国、米国の五か国です。
だから中国やロシアが当事国のような議題は、決して採択されないのです。
これは昔から指摘されてきたことですが、21世紀の現在でも変わっていません。
この理由には、共産主義国家の成り立ちがかかわっています。
2・共産主義とは何か?
共産主義とは資本主義があったからできたものです。
マルクスが資本主義社会で労働者が虐げられる様子を見て、それを無くすにはどうしたらいいのかと考えて作ったのが、共産主義思想です。
つまり、資本主義が親なら子が共産主義、資本主義が光なら共産主義は影のようなものです。
共産主義単独では存在せず、資本主義という光がなければ共産主義はありませんでした。
これは犯罪のようなものとも言えます。
先に法律があるから、それを犯すものが犯罪者なのです。
法律が無いところには、犯罪もありません。
自然発生的に発生する法律(みたいなもの)は存在しますが、それは規範と呼ばれて法的拘束力を持ちません。
先に法律があって、それを犯すから犯罪なのです。
そして、法律が先にあるので犯罪を犯そうとする者は、法律の弱点を探すことができます。
法律はすべての犯罪を予見して造ることができないために、犯罪を犯そうとする者が常に有利です。
※犯罪を犯そうとする者(悪人)が常に有利
常任理事国問題は、これと同じ構造を持っています。
昔のプロレスでは日本人レスラーは常に正義でルールを守ろうとしますが、外人レスラーは反則攻撃もおかまいなしです。
最後に日本人レスラーがブチ切れて、反則技も織り交ぜて外人レスラーを倒す筋書きでした。
これと同じで、正義の側がルールの中で勝とうとすることはまず不可能です。
ルールを作る側は作った者の宿命で、ルールを守らねば自己矛盾に陥ります。
それに対し、後から加わった勢力は「ルール破り」を行うことで、自分に有利なように持って行ける構造が常に存在します。
国連や他の国際機関が役に立たなくなったのは、運営側が常に「ルールを作る側」だからです。
3・もっとも役に立たない国際機関
役に立たない国際機関の代表例は、国際捕鯨委員会「IWC」です。
IWCは、「鯨資源の保存及び捕鯨産業の秩序ある発展を図ることを目的として設立された国際機関」だそうです。
しかし「鯨資源の保存及び捕鯨産業の秩序ある発展」というきれいごとはすぐになくなって、実質的には日本のような捕鯨国を捕鯨できない様にする活動になりました。
それが可能だったのは「一国一票」という民主主義のシステムを採用したからです。
「一国一票」という民主主義のシステム
捕鯨に反対する国がこれを悪用したのです。
最初の加盟国は、ノルウェー、英国、日本、ソ連、オランダなど南極海捕鯨操業国、デンマーク、オーストラリア、米国、カナダなど沿岸捕鯨操業国でした。
ところが米国の捕鯨産業の衰退と欧州米国の捕鯨反対運動の広がりから、加盟国がどんどん増えていきました。
反捕鯨国が加盟してくるのですから、「一国一票」という民主主義のシステムでは捕鯨国が絶対に不利になります。
日本はとうとうブチ切れて、2019年6月30日に脱退しました。
現在のIWC加盟国には、スロバキア、スロベニア、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、モナコ、リトアニア、ルクセンブルク、ルーマニアのような反捕鯨国が加盟しています。
しかしこれらの国の中には、まわりを他の国に囲まれた「海のない国」もあるのです。
漁師のいない国が、国際捕鯨委員会加盟国というのは、悪い冗談にしか聞こえません。
なぜ「海のない国」が国際捕鯨委員会加盟国になったかというと、反捕鯨国が加盟を呼びかけたからです。
お金をあげるから日本に反対してと、反捕鯨国が加盟を呼びかけたからです。
これが民主主義の欠点です。
民主主義は組織内部にいる、「民主主義の欠点を使って悪いことをしてやろうとする勢力」を止めることができないのです。
ナチスがドイツで多数派になれたのも、民主主義の国で共産党革命が起こせるのも、これが原因なのです。
ナチスの誕生は民主主義のおかげ
まとめ
民主主義というのは、参加メンバーが「善良で分別があって知性と冷静さがある構成員」でないと機能しません。
そういう構成員は、洗練された知的活動が出来る人です。
ところが民主主義の万能性を信じたい「洗練された知的活動が出来る人」は、どんな人間でも民主主義という理想の社会に暮らすべきだという「愚かな夢」を見がちなのです。
理想主義の欠陥です。
共産主義の国は、そういう民主主義の弱点をよく研究しています。
なぜなら「正義の人」は反則を犯すことができないし、反則技を考えることさえしないから、弱いのです。
核兵器は反則技ですが、有効なのはそのためです。
民主主義に重大な欠陥があるために、核兵器は有効なのです。
※どんな人間でも民主主義という理想の社会に暮らすべきだというのは「愚かな夢」だと知れ
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