記憶術方法場所法（ペグ法）で抽象的なものを覚える試験対策法3

記憶術の方法　科学的に記憶術を考える

記憶力についての質問があります。

私の友人にやたら記憶力の良い人がいます。過去に学校でやった英語や国語の本文を丸暗記して忘れず、「あの文章言ってみて」と尋ねるとスラスラと出てきます。

また、中学の頃にやった家庭科や技術の知識など、皆が大抵試験直前に覚えてすぐ忘れてしまうような内容も覚えています、

これは何年の何月に学習した内容だ、なども一緒に。

こんな記憶力があったら試験対策なんかしなくても合格点ですね。

記憶術の欠点はテスト勉強に使いにくいことです。

記憶術は具体的なものを組み合わせて、物語を創る方法が主体なのでそこがテストと相性が悪いのです。

というのはテスト勉強や受験・資格試験で問われる知識と言うのは、ほとんどが抽象的なものです。

これまでの記憶術の間違いを指摘しています。

目次

1.記憶術方法場所法（ペグ法）大量の情報を覚えたい

2.記憶術方法場所法（ペグ法）を改良して使う

3.記憶術方法場所法（ペグ法）の間違いを指摘する

私が書いています。

・長年のマインドフルネス瞑想を行った

・その結果リアルタイムで脳の動きがわかるように

・それを使った記憶術を開発

1.記憶術方法場所法（ペグ法）

記憶術場所法というのは、自分が知っている道、例えば学校までの道のりでいくつかのポイントを定めます。

そのポイントを、ペグといいます。

例えば花屋とか、信号機がペグです。

それに対し覚えたいものが「松阪牛」とか「ひまわり」だとしましょう。

ペグと覚えたいものを組み合わせます。

・花屋なのに、「松阪牛」を売っていた

・信号機の上に「ひまわり」が咲いていて黄色信号と間違った

こういう風に印象深い組み合わせを考えます。

そうすれば、学校までの道のりを思い出せば自動的に、花屋や信号機のイメージが思い出されます。

その時、印象深い組み合わせのイメージも思い出すので、それから記憶したいものが思い出せるという仕組みです。

記憶術場所法は最も古い記憶術のひとつで、今ある記憶術の多くはこれの派生型です。

この方法の欠点はふたつあります。

ひとつめは「印象深い組み合わせ」にしなければならないことです。

先の例で言うと、「花屋」なのに「松阪牛」を売っているから覚えることができます。

もしこれが「肉屋」で「松阪牛」を売っているのだったら当たり前すぎて、記憶に残りません。

「花屋」で「ひまわり」を売っていたでも、記憶に残りにくくなります。

それでは記憶に残る印象深い話とは、なんでしょうか？

答えはあなたがそれを思いついたとき、友達に「ねえ！こんな面白い話があるよ」と言いたくなるかどうかです。

友達に、「花屋」で「ひまわり」を売っていたと言っても、「それがどうした」と言われるでしょう。

そういう話は、記憶に残りません。

2.記憶術方法場所法（ペグ法）を改良して使う

もうひとつの欠点は、多くの物事を覚えるには、多くの場所が必要だということです。

先の例で言うと、「松阪牛」と「ひまわり」を覚えるのに、学校までの道を使ってしまうと、もうそれは使うことがきません。

なぜなら「花屋」にはすでに「松阪牛」のイメージがくっついているので、他のものをくっつけるとどちらを思い出そうとしているのかわからなくなるからです。

記憶術はほとんどが場所法の派生型です。

ですから記憶術教室で教えられる技法は、記憶術で必要な多くの場所をいかにして確保するかということになりがちです。

このような欠点があります。

欠点1　「印象深い組み合わせ」にするのが意外に面倒

欠点2　多くの物事を覚えるには、多くの場所が必要

このうち、「記憶術で必要な多くの場所をいかにして確保するか」と言うことに関して、あまり良くない説明をする人がけっこう多いです。

それは自分が言ったことのある場所を全部思い出しなさい、というようなやり方です。

ひどい人になると、アニメに出てきた架空の場所とか、ネット動画で見ただけの場所でもできるといいます。

しかしこれは正しい記憶術にはなりません。

正しい記憶術は、人間の記憶の原理に適ったものでないといけないのです。

3.記憶術方法場所法（ペグ法）の間違いを指摘する

人の記憶には４種類あります（長期記憶）。

このうち最も強力なのが一番下の手続き記憶です。

もっとも忘れやすい、つまり弱い記憶が「意味記憶」です。

そしてテスト勉強や受験・資格試験で使う記憶が、「意味記憶」なのです。

もっとも忘れやすい記憶で覚えなければならないのが、試験勉強で使うものなどです。

これが勉強で苦労する原因になっています。

そして記憶術と言うのは、「意味記憶」意外の記憶も使って記憶力を補強しようとする技術です。

そのために活用したいのが、「手続き記憶」になります。

「手続き記憶」とは、体を使って覚えた記憶のことを言います。

普通は自転車になることや水泳が「手続き記憶」だと説明されますが、体を使って覚えたことはすべて「手続き記憶」です。

ということは学校へ通った道のりの記憶も、「手続き記憶」になるのです。

しかし記憶術教室の講師なんかで、自分に関係ないものも記憶術のやり方に含める教えを薦める人がいます。

例えば池に浮かんだアヒルとなにか記憶したいものを結びつけるような方法です。

しかしこれは自分の肉体の活動に関係ないので、「手続き記憶」にはなりません。

苦労してアヒルとなにか記憶したいものを結びつける話を創っても、意外に忘れてしまうことになりかねません。

肉体を使った記憶なら、実際に自分の肉体を使うことでそれを思い出せるので強力です。

前回、体の各部と歴代大統領を組み合わせるやり方を紹介しましたが、あれを思い出すとき実際に体に触れば思い出すことができます。

「手続き記憶」はこのように強力です。

記憶術方法場所法（ペグ法）まとめ

1.記憶術方法場所法（ペグ法）大量の情報を覚えたい

学校までの道のりを思い出せば自動的に、花屋や信号機のイメージが思い出る

その時、印象深い組み合わせのイメージも思い出すので、それから記憶したいものが思い出せるという仕組み

2.記憶術方法場所法（ペグ法）を改良して使う

記憶術方法場所法の欠点

欠点1　「印象深い組み合わせ」にするのが意外に面倒

欠点2　多くの物事を覚えるには、多くの場所が必要

3.記憶術方法場所法（ペグ法）の間違いを指摘する

学校へ通った道のりの記憶も、「手続き記憶」になる

これを複数回使う方法として、思い出す時期を変える方法がある

例えば入学式の時や卒業式の時、あるいは運動会の時の学校への道を思い出すことができる

その実際の記憶に覚えたいものの情報を付加する

こうすれば実際の記憶に対する場所法ペグ法が繰り返し使える

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精神工学研究所　山西　茂

筆者について

長く建設会社に勤めながら瞑想行や神秘業を、科学的に研究する。

建設会社をリストラされたのを機に、中小建設業生き残り研究会を立ち上げ、建設会社の新規事業開発やマーケティングを研究する。

しかし、中小建設業生き残り研究会のＤＶＤの売れ行きに悩み、瞑想中の啓示により変性意識開発のＤＶＤを製作・販売する。

ネット事業に活路を見出し、瞑想による願望実現のホントとウソの研究にシフトしていく。

宗教色を排した、科学的瞑想の研究を勧める。

25年以上の瞑想の結果、自分の脳がどういう機構で動いているのかをリアルタイムで観察できる技術を身に着ける

それを使って記憶術などを分析、これまでの記憶術講師が知らないことを発見した。

脳科学の研究を40年、書籍代は1237万円を超えた

四国の山中に在住、時々東京や大阪でセミナーを開催。