プーチンに二度殺された男　ナワリヌイとは？

ロシアで北極圏の

極寒の刑務所に収監されていた政治犯ナワリヌイ氏が死亡したというニュースがありました。

47歳でした。

彼の死因は殺害されたためだろうともっぱらの噂です。

どうしてそういわれるのでしょうか？

そこにはプーチンの恐ろしい本性がありました。

ナワリヌイ氏

1・どういう人？

ナワリヌイという人は、1976年生まれ南西約100kmにあるカルーガ州オブニンスクで育ちました。

夏の間はウクライナの祖母のもとで過ごしたこともあるそうで、ウクライナに対して親近感を持っていることが想像できます。

2000年、ロシアの自由主義政党「ヤブロコ」の党員となり、党の連邦政治委員会のメンバーとなります。

2010年には米国イェール大学から奨学金を貰い、グローバルリーダーとしてイェ－ル大学フェロープログラムを受けています。

「2007年12月、ヤブロコ党事務局は「党議長（当時：グリゴリー・ヤブリンスキー）とその代理人の早急な辞職と、党事務局の最低70％の刷新」を求めた会議を開き、

ナワリヌイもネオナチ極右活動に関与していることから除名の対象者として協議された」ウイキペディア

ヤブロコから離れたナワリヌイは、個人として政治活動を始めます。

その主戦場はインターネット空間でした。

「2010年10月、コメルサントとガゼータ.ru（Газета.Ru）によってネット上で行われた「ネット仮想モスクワ市長選挙」では、総投票数67,000票のうち45％にあたる約30,000票を得て圧勝した。

なお2位は「現立候補者以外なら誰でも」で9,000票（14％）、3位はボリス・ネムツォフの8,000票（12％）であった」

2011年にロシア下院選挙が行われた際、ナワリヌイ氏はこれに不正が行われたとネットで糾弾しています。

その結果逮捕されるのですが、皮肉にこれまでネットだけの有名人であった彼が、リアルでも有名になるきっかけになりました。

実刑15日の刑を終えて釈放された彼は再び不正追及のデモを呼びかけます。

前回は6000人しか集まらなかったのですが、テレビで報道されて有名人となった二回目は5万人もの参加者を集めたと言われます。

2・一回目の暗殺

その後、何回もプーチン大統領を糾弾するデモを主導しました。

これがプーチンの怒りを買い、詐欺罪をでっち上げられて収監されます。

裁判の結果、執行猶予付きの禁固5年の判決が下ります。

執行猶予の間に行われたモスクワ市長選の予想で、ナワリヌイ氏は27％の得票を得るだろうという調査結果が出ました。

当選したのはプーチン大統領の側近と言われる人物でした。

この時も選挙に不正が行われたとナワリヌイ氏は主張します。

ナワリヌイ氏の予想以上の人気に、プーチン大統領は焦ります。

そして2020年、モスクワに向かう飛行機の中でナワリヌイ氏は級の体調が悪化し、意識不明になります。

飛行機は緊急着陸し、一命をとりとめます。

その時、ナワリヌイ氏の血液から強力な毒である「ノビチョク」が検出されます。

ナワリヌイ氏はドイツで治療を受けますが、ドイツの医師団により旧ソ連軍が開発した最強の毒と言われる「ノビチョク」使用が明らかになるのです。

こうなると彼の毒殺指令が発されたことは確実だと考えられました。

その指令を出したのは、プーチン大統領しか考えられません。

つまりナワリヌイ氏は、プーチン大統領の最大の政治的脅威と考えられます。

そうでなければ毒殺命令はなかなか出ないでしょう。

※ノビチョク（ロシア語　意味は「新参者」）とは、ソビエト連邦とロシア連邦が1971年から1993年に開発した神経剤の一種

ノビチョクが戦場で用いられたことはない。

イギリスの首相テリーザ・メイは2018年3月、イングランドにおけるロシアの元スパイ毒殺事件に使用されたと発表した。

ロシア連邦当局はノビチョクの生産や研究を否定している。

以下の4つの目標を達成するために設計された。

北大西洋条約機構（NATO）の1970年代から1980年代の標準的な化学物質検出装置で検出できないこと。

NATOの化学防護を突破すること。

安全に取り扱えること。

化学兵器禁止条約により規制された前駆物質（前駆体）のリストを回避できる化学物質であること。

ロシアの科学者は、VXガスと比べて5倍から8倍、ソマンの10倍以上の致死性があると主張している。

ノビチョクから回復したナワリヌイ氏

3・二回目の毒殺？

ナワリヌイ氏は2020年、過去の経済事件を理由に逮捕され、北極圏にあるの刑務所に収監されていました。

ナワリヌイ氏は支援団体を通じて、プーチン氏以外の候補者に投票するよう呼びかけるなど、収監後も反政権の活動を続けていました。

ナワリヌイ氏の広報担当者は17日、映像を公表し、「ナワリヌイは殺害された」と述べ、死亡の情報を確認したと明らかにしました。

当局の発表では死因は心臓疾患だとされています。

遺体は引き渡されておらず、そのことからも毒殺だと疑われています。

ロシア各地ではナワリヌイ氏を追悼するデモが行われ、このデモに参加した400人以上が拘束されたと伝えられています。

まとめ

ナワリヌイ氏がプーチン大統領の命令により殺害された可能性はかなり高いと思われます。

一方中国の習近平主席は、自国の経済悪化を報道することを固く禁止する政策を取っています。

そしてこれを取材する外国記者を逮捕して懲役刑にする事例が多発しています。

他にも、北朝鮮が金正恩指導体制の下で人民が苦しめられています。

これら三悪人はアドルフ・ヒトラーに勝るとも劣らない現代の癌ではないでしょうか？

そうであっても逮捕もできない現在の世界情勢とは一体何なんでしょう。

他国のすることには指をくわえて見るしかできない、国連主導の体制はもはや役立たずだと言うしかないと思います。

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