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第一回ヨーロッパではなぜ戦争がなくならないのか?日本人にはわからない事情

      2024/02/24

戦争したくてしょうがない病気

 

 

 

ロシアがウクライナに攻め入って一年半が過ぎました。

この戦争は長期化し、二年以上続くとの観測が支配的です。

そうこうしているうちに、アルメニアとアゼルバイジャンが戦争し始めました。

元々仲の悪かった二国ですが、これまでは旧ソ連やロシアが戦争にならないように止めていました。

しかし、ロシアの勢力が落ちたのでついに戦争状態になったようです。

他にもヨーロッパの国々は紛争一歩手前の状態にある地域が多数あります。

そうでなくても、世界各地で戦争を引き起こしてきたのはヨーロッパ諸国なのです。

このようにヨーロッパの人たちは、「戦争したくてしょうがない病気」にかかっていると言っても過言ではありません。

どうしてそんな症状があるのでしょうか?

そこには昔からの深い深い理由がありました。

 

ヨーロッパの「病気」

 

 

 

1・ルネッサンス!

 

一世を風靡した「ルネッサンス!」という一発芸ですが、本来はルネサンスと発音するみたいです。

日本の評論家で西洋美術にとても詳しい、山田五郎先生が「ヨーロッパの正体を知るためにはルネサンスを理解しなければならない」と言われています。

そこでルネサンスについて、調べていきましょう。

ルネサンスは「再生」「復活」などを意味するフランス語であり、一義的には古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動。

14世紀にイタリアで始まり、やがて西欧各国に広まった(文化運動としてのルネサンス)。

日本人の知っているルネサンスの始まりは、暗黒の中世の終わりごろキリスト教会の腐敗が目に余る時代でした。

ルネサンス期に聖書研究が進み世俗化するカトリック教会に対する不満が高まると、従来のカトリックの権威を否定し新たな信仰の在り方を模索する運動が生じました。

1517年にマルティン・ルターの宗教改革が起きましたが、これは16世紀初頭の出来事です。

ルネサンスは、芸術分野でギリシア、ローマの文化に帰ろうとしたことが有名です。

それでは、「ギリシア、ローマの文化(芸術)」に帰るということですが、じつはこれが非常に奇妙なことだったのです。

芸術の分野でこれを指摘している人を見たことがありませんが、人間の脳の仕組みから見て、「ギリシア、ローマの文化(芸術)」は異常なのです。

ルネサンス以前の稚拙な絵

 

2・残された絵画

 

じつはギリシア、ローマの芸術はほとんど現存していません。

特に絵画はフレスコ画という手法であったために、残っていません(彫刻はミロのビーナスのようなものが残っている)。

しかし「ある奇跡」があって、残っていないはずのローマの絵画を私たちは今も見ることができます。

その奇跡とは、ポンペイの悲劇です。

ポンペイという都市がヴェスヴィオ火山の爆発による火山灰の降灰で埋もれてしまい、当時の姿のまま20世紀まで偶然保存されています。

噴火したのは西暦79年であるということがわかっています。

その埋もれた都市の建物の中の絵画が発見されて、当時のローマの絵がどのようなものかがハッキリわかります。

ポンペイの絵画の特徴は「エロい」ということです。

裸の男女がよろしくやっている絵が発見されています。(それが堂々と掲げられている)

そしてそれらは非常に写実的なので、現代人の目から見てとてもエロチックです。

例えば葛飾北斎が描いたとされる春画がありますが、浮世絵風でマンガ的で現代人の目にはエロさが足りません。

しかし、ポンペイのエロは現代人から見てもエロいのです。

なぜそう見えるかというと、古代ローマの絵の特徴がそうさせるからです。

その特徴は二つあって、一つは遠近法です。

もうひとつは、陰影です。

これらの特徴が、「異常」なのですが現代人にはそれがわかりません。

エロさを感じない

 

3・なぜ異常なのがわからないのか?

 

中世のヨーロッパの絵画を見ると現代人からは稚拙に見えます。

へたくそなのです、幼いと言ってもいいでしょう。

それは現代人から見て浮世絵の絵が、平面的で顔などは誇張されすぎているのとよく似ています。

なぜ平面的で誇張された絵ばかり描くようになるかというと、それが人間にとって自然だからです。

子供の絵を見ればわかりますが、人が絵を描くとき、脳内に保存されたイメージを画面に写し出そうとします。

しかしそのイメージは、脳内で加工されたもので実際のものや人とは異なっています。

子供の描く絵が頭が大きく胴体が小さいのは、子供の脳で人体イメージがそういう風に加工されるからです。

それは、赤塚不二夫が描くバカぼんやチビ太の絵が写実的でないのと同じなのです。

そしてそれを見る人も、その方が親しみやすいという気持ちになります。

マンガにおける写実的な描写は、さいとうたかを(ゴルゴ13)とか池上遼一(男組)のような劇画の絵です。

池上遼一(男組)より

私たち現代人は劇画的な絵を写実的だと評価しますが、人の脳や目の仕組みから言ってあのような絵が評価されるには「ある条件」が必要なのです。

「ある条件」とは何でしょうか?

それはカメラの発明です。

カメラで撮られた画像を写真として見て初めて、私たちは「現実に見えるものってこうだよね」と認識できるのです。

カメラのない世界では、似顔絵的な絵こそが本人そっくりな絵なのです。

そして驚くべきべきことに、ポンペイで発見された2000年以上前の絵画が、カメラで撮られた画像的なのでした。

人類の脳の自然な画像認識の仕組みからすれば、カメラの発明されていない時代に、写実的な絵が描かれたということは異常なことです。

カメラの発明されていない時代には葛飾北斎的な絵、赤塚不二夫的な絵、似顔絵的な誇張された絵になることが自然なのです。

遠近法のようなものではなく、子供が描くように平面的な構成になるのが自然なのです。

もう一度言いますが、カメラの発明されていない時代に、写実的な絵が描かれたということは異常なことです。

ルネサンスの代表的な絵

 

まとめ

 

ルネサンスは「ギリシア、ローマの文化(芸術)」に帰るということですが、絵画的に見るとこれはカメラの発明された「未来に行く」ということに匹敵します。

そしてローマの文化はエロいのです。

写実的に現実そっくりに、男女の裸が遠近法を使った写実的現実世界に描かれているから、エロさが際立つのです。

それはキリスト教的な平板な宗教画しか見たことのない人々に、強烈なエロさを感じさせたことでしょう。

これとヨーロッパ人の戦争好きとどういう関係があると思うかもしれませんが、これを説明しないとあの地域の精神的複雑さがわかりません。

次回は「ゲルマン民族の大移動」について説明します。

名前だけは知っているが、詳しくは知らない「ゲルマン民族の大移動」。

じつはここに、ヨーロッパの秘密が全てありました。

次回、乞うご期待!

第二回はここをクリック

 

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