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第二回ヨーロッパではなぜ戦争がなくならないのか?日本人にはわからない事情

      2023/09/24

世界各地で戦争を引き起こしてきた

 

第一回はこちら

ロシアがウクライナに攻め入って一年半が過ぎました。

この戦争は長期化し、二年以上続くとの観測が支配的です。

そうこうしているうちに、アルメニアとアゼルバイジャンが戦争し始めました。

元々仲の悪かった二国ですが、これまでは旧ソ連やロシアが戦争にならないように止めていました。

しかし、ロシアの勢力が落ちたのでついに戦争状態になったようです。

他にもヨーロッパの国々は紛争一歩手前の状態にある地域が多数あります。

そうでなくても、世界各地で戦争を引き起こしてきたのはヨーロッパ諸国なのです。

このようにヨーロッパの人たちは、「戦争したくてしょうがない病気」にかかっていると言っても過言ではありません。

どうしてそんな症状があるのでしょうか?

そこには昔からの深い深い理由がありました。

ゲルマン民族の大移動

 

 

1・ゲルマン民族の大移動

 

名前だけは知っているが、詳しくは知らない「ゲルマン民族の大移動」。

じつはここに、ヨーロッパの秘密が全てありました。

ゲルマン民族とは人種的に単一の民族を指すのではなく、白人種で碧の目、金髪の特長を持った人たち全般を指します。

つまり色素の薄い人種であって、これは北方民族の特徴です。

ウイキペディアの「ゲルマン民族の大移動」によると

「西暦300年から700年代にかけて、ヨーロッパで起こった人類移住時代のことである。この移住が古代を終わらせ、中世が始まったと考えてもよい。

本節では古代後期から中世初頭にかけて西ローマ帝国の領域内に居住するようになっていったゲルマン系の移動について記す。(参考:ゴート族、ブルグント族、ランゴバルド人、アングロ・サクソン人、ジュート人)」

カッコの中はすべてゲルマン民族の族名ですが、このほかにもいました。

なぜ移動し始めたかというと、その主要な原因にフン族に追われた、というのがあります。

フン族とは今のモンゴルあたりに住んでいた遊牧民で、のちにジンギス・カンを輩出した人たちのことであり、非常に勇猛で残忍な特徴があります。

このようなフン族に追われ、弱いゲルマン民族は大移動し今の西ヨーロッパに定住したのです。

そしてゲルマン人は、いくつもの部族に分かれ暮らし始めました。

今の西ヨーロッパの盛況ぶりからは想像もできませんが、ゲルマン民族とは東の有色人種に故郷を追われた弱い民族だったのです。

そのころ、ヨーロッパを支配した勢力は西ローマ帝国でした。

西ローマ帝国はローマ、今のイタリアあたりに本拠がありましたから、ローマの北に住むゲルマン民族は民度の低い原住民みたいなものだったのです。

こんなことを言うと怒られそうですが、江戸時代の人から見た蝦夷のアイヌのような感じでしょう。

 

 

2・ローマ帝国が造った国

 

ローマ帝国は領土拡大のため、今のヨーロッパに占領政策を取り原住民を従えて、支配地を拡大していきました。

今のフランスのあたりはガリア地方と呼ばれていましたが、そこにはゲルマン人の部族であるフランク人がいました。

ローマ帝国はフランク人の族長(フランク国の王)にその地域の征服を命じました。

みごとフランク族はガリア地方を押さえたので、そこをフランク国の支配地として治めてもよいとの許可を出しました。

そこでその地方はフランク人の土地ということで、それが「フランス」という国名の由来となったのです。

つまりフランスという国の成り立ちは、「ローマ帝国フランス支店」という位置づけだったのです。

・ドイツ

「「ドイツ(Deutsch)」の語源は、北部で話されていたゲルマン語の「theod」「thiud」「thiod」などの名詞に由来し、いずれも「民衆」や「大衆」を意味している。

意味も使われた時代も同じだが、綴りは地域によって異なる。

フランク王国時代に、ラテン系言語ではなくゲルマン系言語を用いるゲルマン人の一般大衆をこう呼んだことから、同地域を指す呼称として用いられ始めた」

「476年、西ローマ帝国が滅亡した。

代わって西ヨーロッパを支配したフランク王国では各地に分王国が興り、その一つであるアウストラシアが北方でライン川両岸を占めた。

843年、ヴェルダン条約によってフランク王国が三分割された。そのうちの一つである東フランク王国が、のちのドイツの原型となった」

ということで、ドイツは「ローマ帝国フランス支店」であるフランク王国の「ドイツ支店」だったのです。

・スペイン

「紀元前202年、第二次ポエニ戦争の和平でローマは沿岸部のカルタゴ植民都市を占領し、その後、支配を半島のほぼ全域へと広げ属州ヒスパニアとした。

法と言語とローマ街道によって結びつけ、その支配はその後500年以上続くことになる」

というのが現在の西側先進国のヨーロッパ諸国の成り立ちで、ローマ帝国の北はたんなる田舎、あるいは原住民が暮らす地域でした。

当時のイギリスなどはもっと遅れた島国で、占領するにも値しない地域という感じでした(寒いし)。

すなわちヨーロッパという地域は、文化も経済も武力も劣ったゲルマン人という原住民が住む場所だったのです。

そのゲルマン人があこがれたのが、ローマ帝国とその元となったギリシャの輝かしい文化と歴史でした。

※ヨーロッパ人は、ローマ/ギリシャ文化に強いあこがれを抱いている。

強力で残忍なフン族

 

 

3・すべての道はローマに

 

ということで、ヨーロッパ人の心の奥にはローマ/ギリシャ文化にはどうあがいてもかなわないという気持ちがあります。

それは今の日本で言うと、田舎者が東京という都市に強いあこがれを抱くのとほぼ同じでしょう。

何度も言いますが、西ヨーロッパ東ヨーロッパ北ヨーロッパを問わず、あの地域に住んでいたゲルマン民族は劣った原住民だったのです。

やがてゲルマン民族の力が少しずつ強大になっていくのですが、心の奥に「俺たちは原住民」というコンプレックスが居続けたのです。

そのコンプレックスを薄めるために、洗練された文化や教養で補強したいと願うのは当然です。

そのためにゲルマン人が採用した「洗練された文化や教養」は二つあったと、山田五郎先生は指摘しています。

ひとつは、先に言った「ローマ/ギリシャ文化」です。

もうひとつは中東の地域で発生した宗教である「ユダヤ教とキリスト教」です。

じつは「ユダヤ教とキリスト教」は強いつながりがあり、兄弟宗教とも親子宗教ともいえる関係なのです。

山田五郎先生が喝破されたヨーロッパの定義とは次のようなものでした。

・ゲルマン人があこがれた「洗練された文化や教養」

1.「ローマ/ギリシャ文化」

2.「ユダヤ教とキリスト教」

これらを融合させた「ヨーロッパ文化の成立」のための運動が、ヨーロッパのアイデンティティだというのです。

しかしこの見果てぬ夢が、ヨーロッパ人の精神を狂わせる原因となったのです。

これが「ヨーロッパ人が戦争したくてたまらない病気」の原因となっています。

キリスト教禁欲の象徴修道女

 

まとめ

 

ゲルマン人があこがれたふたつの「洗練された文化や教養」は、絶対に相容れない性質を持っています。

ポンペイの絵画でも説明したように、「ローマ/ギリシャ文化」は肉欲的で、享楽主義なのです。

ところが「ユダヤ教とキリスト教」は神との契約の概念で成り立つ、禁欲の教えです。

だから「肉欲的で、享楽主義」なものと、「禁欲」的なものを融合させようとする、ヨーロッパのアイデンティティは矛盾しています。

できない相談です。

水と油を融合させようとするようなヨーロッパ人の願望は、不可能な夢を見ることと同じだったのです。

そのため、これがヨーロッパ人の精神を狂わせる原因となり、ナチス党のヒットラーのような狂気を生みます。

第一次世界大戦・第二次世界大戦のような世界大戦を生み、際限ない軍拡競争に人類を駆り立てる要因となります。

次回は、「肉欲的で、享楽主義」なものと、「禁欲」的なものを融合させようとする試みが、どうして世界を不幸にする原因になるのかを説明します。

次回、乞うご期待!

第三回はこちら(最終回)

 

 

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