精神工学研究所

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アメリカの恥ずかしい話 その後のライト兄弟

   

ちょっとした小ネタを知っていると

 

雑談の時、盛り上がります。

あなたをクリームシチューの上田晋也さんのように話題豊富な人にできたらいいなと

今日の文章を書いています。

是非お読みください。

アメリカの恥ずかしい話です。

 

ライト兄弟

 

 

 

1・なぜライト兄弟は飛ばなければならなかったのか?

 

世界で初めて動力付き飛行機で空を飛んだのはライト兄弟ですが、その背景は意外と知られていません。

あの頃、世界中で飛行機の開発競争が多くの人の手により行われていたのです。

その裏には。切実な事情がありました。

「もしも1896年の墜落事故がなければ、人類初の動力飛行は、ライト兄弟の登場を待つことなくリリエンタールによって成し遂げられていただろう」と言われました。

飛行の先駆者として、ドイツ人のオットー・リリエンタールは18世紀末に有人グライダーを完成させていました。

彼の成功は世界中で報道され、このグライダーにエンジンとプロペラをつければ飛行機は出来るだろうと思われたのです。

そこで世界中で(主に欧米)で、世界初の有人動力飛行機を完成させて特許を取得するという競争が始まったのです。

この競争に参加したが、ライト兄弟でした。

 

リリエンタールの「飛行機」

 

 

2・強力なライバル

 

当時もっとも世界初の飛行機の発明に近かった男が、サミュエル・ラングレー博士でした。

「アメリカの天文学者、発明家で航空の先駆者の一人。

スミソニアン博物館の3代目の事務局長でスミソニアン天体物理観測所の設立者であった。

1903年に2回の飛行試験を試みたが成功しなかった」ウイキペディア

 

ラングレー博士と同じ年、1903年にライト兄弟の初飛行が成功しています。

しかし、当時の社会状況は今とは全く違います。

飛んだというのが目撃者の証言だけということもあり得るような状況で、なにしろ写真一枚撮影するにも今ほど簡単ではないのです。

そのため、ライト兄弟という高卒で、どこの馬の骨ともわからない「自称発明家」の功績は社会に認められませんでした。

そういうことを評価するのがスミソニアン博物館のようなアカデミズムですが、サミュエル・ラングレー博士の失敗を隠したい思惑があり認めなかったのです。

当時、なぜ飛行機開発競争が過激化していたかと言うと、兵器としての活用に注目されていたからです。

それゆえに、飛行機の特許を取得することができれば、軍需産業からの莫大な特許料が見込めました。

そういう点からも、どこの馬の骨ともわからないライト兄弟の世界初の偉業を認めるわけにはいかなかったのです。

 

以下ウイキペディア

「特に兄弟にあからさまな敵意を向ける2人の人物がいた。

その1人はチャールズ・ウォルコットである。

有人動力飛行に失敗したラングレーの後を継いでスミソニアン協会会長の地位に就いた彼は、民間人であるライト兄弟の偉業を決して認めず、

スミソニアン博物館航空史に「ライトフライヤー号」を一切展示しなかった。

「ライトフライヤー号」は、ライト兄弟の飛行機。

もう1人はグレン・カーチスである。腕の良い飛行家だった彼は、航空会社を設立し、何かとライト兄弟と特許に関して係争した。

しかし、冒頭の裁判所の判断もあり、ことごとく敗訴していた」

 

ライトフライヤー号

 

 

3・アメリカの恥ずかしい話

 

以下ウイキペディア

「しかし、ライト兄弟が世界最初の有人動力飛行を行ったことを、高く評価する者も存在した。

日の目を見ることなくマサチューセッツ工科大学の倉庫に保管されていたライトフライヤー号に思わぬ申し出が届いた。

ロンドンの科学博物館が展示したいとオーヴィル・ライト(ライト兄弟の弟)に希望を寄せてきた。

スミソニアン協会名誉総裁へ送った、再飛行実験に対する調査要請の書簡が無視されたのを最後と見定め、オーヴィルはロンドンからの申し入れを受諾。

1928年ライトフライヤー号はイギリスに渡った。

イギリス旅行に来たアメリカ人は「何故ライトフライヤー号がこんな場にあるのか?」と驚いた。

それはやがて世論となり、スミソニアン協会もいつまでも無視する訳にはいかなくなってきた。

ウォルコットの死後、1928年に会長職を継いでいたチャールズ・アボットはオーヴィル・ライトと面談し、ライトフライヤー号をアメリカ合衆国に戻すよう要請した。

それに対するオーヴィルの条件は、ただ「歴史を正しく修正する」ことのみであった。

 

アボットは、玉虫色の妥協点を見出そうとしたが、オーヴィルは決して譲らず、1942年ついにスミソニアン協会は声明を発表。

ライト兄弟の偉業を認め、1914年の実験を否定し、最後の部分では兄弟に陳謝した。

これを受け入れ、オーヴィルはライトフライヤー号をアメリカに戻すことに合意した。

その後、第二次世界大戦などの混乱もあり、ライトフライヤー号がアメリカに戻ってワシントン国立博物館(国立航空宇宙博物館)に展示されたのは初飛行成功からちょうど45年経った1948年12月17日であった。

盛大な展示除幕式が行われたが、オーヴィル・ライトはすでに同年1月30日に76歳で死去していたため参加することはできなかった」

 

展示されているライトフライヤー号

 

 

 

まとめ

 

 

世界初の有人動力飛行に成功したライト兄弟の飛行機は、本国アメリカではなくイギリスの博物館に展示された時期があるのです。

このような事実が書かれた本が、世界中の国で翻訳され出版されていることでしょう。

それだけでなく、今はインターネットでこのような経緯が簡単に探すことができます。

自国民が行った世界初の偉業を、政治的な工作で抑え込んだのは「歴史に残るアメリカの恥」でしょう。

スミソニアン博物館の関係者が、自分らの過ちを隠そうとしたことは、ライト兄弟の偉業と共に長く語り継がれること、間違いありません。

 

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