引きこもりは「母親の甘やかし」が原因ではない。|社会的洗脳の弊害(2)引きこもり
2016/11/17
洗脳の害
金持ちたちが貧乏人を這い上がれないようにしている仕組みを「社会的洗脳」と言います。
この仕組みにより社会に大きなひずみが生まれています。
引きこもりのような社会病理・貧困もそのひずみが生み出したものです。
つまり貧乏から脱出できないのも、引きこもりのような社会病理になってしまう原因も元は同じだったのです。
引きこもりの原因は、父親を憎むことに端を発しています。
原因と対策を説明します。
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1・引きこもりとは?
「引きこもり」の意味は時代とともに変化しているが、現在の厚生労働省では次のように定義している。
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」
時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める
Q1:子供の引きこもりに、親の責任ってありますか?
A1:きっかけ自体には、特に無いことが多いです。しかし、長期化は親の責任であることが多いです。
Q2:親の責任は半分ということでしょうか?
おおむねそんなところです。子供が引きこもったからといって、親御さんが自らのことを嘆く必要はありませんが、引きこもりをいつまでも黙認するのは、嘆くべき行為です。
Q3:何年以上を長期化と見た方が良いですか?
A3:3年以上だと、十分長期化です。
Q4:子供が引きこもったら、すぐに止めさせた方が良いですか?
A4:誰でも悩む時期はありますので、「すぐに」という必要はありませんが、長期間の引きこもりは許すのはお薦めしません。復帰の可能性が想像以上に低下します。
Q5:長期化する子供の特徴ってありますか?
A5:性格的なものとしては、「自分に甘い」「打たれ弱い」「逃げ癖がある」「思い込みと現実とのすり合わせが出来ない」「対人関係が苦手」「プライドだけは高い」「理屈をこねるが、実践はしない」などがあります。
中略
Q9:中学生の頃から不登校で、高校も行っていない18歳の子供がいるのですが、今後自立させる上でどうしたら良いでしょうか?
A9:その場合には、まず「まともな仕事は無い」という現実を知っておいて下さい。厳しいようですが、今の時代、無教育層の若者は社会から必要とされていませんし、今後も必要とされないでしょう。勉強し直すか何かで、再度まともな教育のルートに戻らないことには、自立への道はほぼゼロです。
Q10:子供の引きこもりを止めさせられる親と、長期化する親とでは、どのような差がありますか?
A10:見た感じではっきり分かるのは、親の人生哲学と、発言の積み重ねが違います。
Q11:もう少し具体的に言うと?
A11:前者は、
「30歳までには必ず自立すること。それ以上は、どんなことがあろうと家から追い出す」
「自立するのは当然の義務。25歳までは準備期間として認めるが、それ以上は絶対に認めない」
のような線引きがしっかりしていると同時に、子供が幼いときから自立の重要性をきちんと語っています。一方で、自立するためのサポートも行っているため、子供もそれに合わせて行動します。
Q12:後者は?
A12:後者は、そういった親としての哲学がなく、漫然と、
「困ったなあ……」「どうしよう……」
のように言うだけで、人間としての芯が無く、かと言って、復帰へのサポートも適当です。
(特に、父親がこのパターンの場合だと非常に厄介です。)そのため、子供も適当に引きこもり生活を続けることになります。
或いは、「弁護士としての生き方しか認めない!」のように、どう見ても奇怪な要求を押しつけるような親の場合もありますが、これは論外です。
2・引きこもりの原因と言われるもの
各家庭を100単位で見てきた者としては、「親」として最も大切なことは、学歴や年収などではなく、これまでに培ってきた「人生哲学」だと感じています。
子に何かを問われたときに、例え不完全でも、「俺はこう思うぞ」「私はこう考えて生きてきたけど」のように返せること、言い換えれば、一人間としての意見を持つことが重要なようです。
そしてこれは、親御さん自身による、誠実な日々の積み重ねによってしか形成されないものと思います。
原因を親の哲学の不足(妙な表現ですが)に求めるのは、少数意見です。
よくあるものは
ニートや引きこもりが急増している原因は親の甘やかし?
35歳くらいの働かないニートや、それ以外の引きこもりが急増している原因は、一般的に本人の認識の甘さや精神的未熟さによるものと言われています。
親が厳しく接してないで甘やかしていることも原因と言われます。
親の甘やかしがこれらを助長させているものなのでしょうか?
働かない引きこもりのなかには、離婚して実家に子連れで出戻ってきた者がいて、嫁ぎ先で嫌なことがあると実家の親にSOSを出し、
親が「我慢しないで帰ってこい」と言い、子連れで実家に戻らせて子供と孫の生活の面倒を見る親がいることも珍しくないようです。
甘やかされて育ったので、出戻りということに何の恥じらいもなく、親に子供を任せて好き勝手なことをする者もいるなどです。
単に怠惰なだけのニートは「親の甘やかし」であり「本人の甘え」だが、幼少期からのいじめが原因で基礎的な対人能力を得られず引きこもってしまった人も居る。
全部一緒くたにして「親の甘やかし」や「本人の甘え」とは言えないと思います。
これみよがしにニートを責めるのはニートのチャレンジ精神を削いで、社会が悪いという意識を強める原因になるので止めた方がいいです。
子供の精神的未熟さによる親離れができないことよりも、親が成人した子供を甘やかすという子離れできないことの方が大きな問題なのでしょうか
3・引きこもりになる本当の原因
本当の原因は、若者の心理的未熟さにあります。
特に現代社会は、男性が成熟できない仕組みに支配されています。
男性が成熟できないというのは、猿の本能に基づく動物的成熟を意味しています。
私は人間である前に、まず猿の一族の本能が満足されるような環境が大切であると考えています。
そういう本能的な満足があったのちに、理性的な脳の活動があります。
しかし、今日の社会はこれができないようになってしまいました。
猿の社会の仕組みから説明します。
猿の群れで子供が育つとき、オスは大きくなると群れを追放されます。
攻撃的な若いオスが多いと、群れが不安定になるからです。
追放されたオスは単独で餌をとり、敵と戦いながら旅をします。
そして生き残ったオスはたくましくなり、元の群れに戻ったり新しい群れに出会います。
そこでボス猿と戦い、生き残れば新しいボス猿となります。
こういう冒険の旅が、オスには必要です。
それは人間にも必要であって、そのため昔からある物語の多くはそういうモチーフがあります。
桃太郎や、スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治の話がそうです。
男の子は幼い時から、そういう話を聞かされて「やがて自分も冒険の旅をする」と、無意識に決心するのが本能に基づいた育ちなのです。
男の子が成熟した男になるには、冒険の旅が必要です。
冒険の旅をして、「勇気」を獲得します。
旅の最後に得られる宝物は、「知恵と勇気」です。
スターウォーズ(第一作)という映画のプロットは、世界各国の昔話を分析して普遍的な物語を創ったと言われています。
それだからあんなに大ヒットしたのです。
そしてあの物語も、若者が冒険の旅をする話なのです。
しかし、なぜスターウオーズは宇宙の話なのでしょうか?
それは現代社会が、「若者が冒険の旅をする話」を禁じているからなのです。
20世紀は工業化社会であり、サラリーマンの世紀でした。
江戸時代には地方の農業従事者は代々農業家であり、その地で一生を終えるのが基本でした。
明治以降、国の工業化政策に伴い都市部や工業地帯で多くの人手が必要になり、そのため学校を出たら就職するというパターンができました。
それ以前は農業家の子供は農業になり、八百屋や魚屋の子供は後を継ぐというのが常識だったのです。
しかし国の工業化政策が進むにつれ、学校を出たら就職するというパターンが定着し、確立されました。
このパターンが100年以上繰り返された結果、日本人のほとんどはサラリーマン・サラリーウーマンになっています。
いわば「学校を出たら就職する」というのが、現代の常識なのです。
そのような政策を推し進めた結果、今日の日本の繁栄があります。
わが国の政府・特に文科省は第二次世界大戦の敗戦に懲りて、軍事的なものをタブーにしてしまいました。
それを口にすることさえ忌み嫌うようになったのです。
その結果、サラリーマン生産を推し進めることになり、これが敗戦後の日本の復興に役立ちました。
おとなしい歯向かわない国民を生産することがいつのまにか教義となり、そういう方針の教科書で義務教育が長く行われました。
やがてサラリーマン第2世代・第3世代になり、今では国民こぞってサラリーマン・サラリーウーマンです。
他に選択肢を見いだせません。
起業という選択肢があってもいいのですが、そこに目がいたりません。
ですから正道のサラリーマンからはみ出したものは、派遣になってしまうのです。
学校を出たら就職!
就職とは企業に雇われること!
これを常識として、それ以外の選択肢を考えられないようにしたのが、「社会的洗脳」です。
しかしこれが、猿の本能に基づくオス猿の成熟ができない原因になりました。
「冒険の旅」が猿の本能に基づくオス猿の成熟が必要なのですが、サラリーマンになることでは冒険にならないからです。
決められた道の上を歩むことは正常なルートであり、それから外れることが「冒険」です。
サラリーマン以外の選択肢を考えられないようにしたのが、「社会的洗脳」が若者の「冒険の旅」を失わせました。
おとなしい羊の群れのような会社員を増産することが、工業化社会の繁栄に必要だったからです。
これに成功することで、日本だけでなく先進諸国の金持ちは、ますます金持ちになりました。
それは会社組織という、効率的集金マシンを創れたからです。
金持ちはそういう効率的集金マシンを所有して、貧乏人から金を吸い取りました。
貧乏人の多くは、サラリーマンです。
彼らはすでに洗脳されていて、疑うことを知らず、おとなしい羊の群れのような性質です。
なぜ「おとなしい羊の群れのような性質」なのか?
それは社会的洗脳によって、冒険の旅が恐ろしいと思いこまされたからです。
「冒険の旅」を経験しないオス猿は勇気がなく、精神的に成熟していません。
そういう(人間の)オス猿はみかけより、はるかに子供じみた精神構造を持っています。
なぜなら大人になるための、「冒険の旅」を経験できない社会に育ったからです。
4・子供じみた精神構造
子供じみた精神構造を持つと、なぜ引きこもりになるのでしょうか?
冒険の旅を経験しないと、「知恵と勇気」をもらえません。
「知恵」と「勇気」、とくに「勇気」がないと家を出て外界で勝負するのが怖いのです。
だから家に引きこもってしまうのです。
「引きこもり」になるのは、「勇気」がないからです。
「勇気」がないから現実の女性と付き合うことが出来ません。
現実の女性が、恐ろしいからです。
そういう男性は、「二次元の女性」に魅かれてしまうのです。
それでそういう自分にしたのはお前だと言って、母親にあたることになります。
Q.高校2年生の息子の家庭内暴力に悩んでいます。
小さい時から、ピアノ、習字、絵画、塾など将来に役立つことは、何でも学ばせてきました。
学校も送り迎えし、父親として精いっぱいの教育も受けさせました。
そのお陰で、息子は、スポットライトを浴びたいい人生を歩んでいると自負していました。
ところが、高校2年生になった途端、息子が暴れ出したのです。
「子どもの思いになりなさい」と育児書にあったので、「タバコも酒もやめろ」と息子が言えば、父親も従ってきました。
それなのに、暴力はエスカレートする一方です。
何がいけなかったのか、原因がわかりません。
Q.25歳の息子の家庭内暴力が悩みです。息子が大学受験に失敗した時、夫が「就職か専門学校か」と選択を迫ったのがきっかけでした。
私はずっと、息子の暴力に耐えてきました。
暴力は徐々に収まり、息子は現在、料理学校に通っています。
もうすぐ就職試験ですが、夫は「失敗したらまた暴れるのでは」と心配しています。
夫と息子との間には会話がほとんどありません。
5・表面的な事象に惑わされない
Q.高校2年の息子が真夜中に大声で叫びます。
最近、「俺はだめだ」「死にてえ」と叫び、ドキッとしました。
すぐに起きて、学校で何があったのか尋ねました。
でも、息子は「何でもねえ。あっちに行って」と言ったきり。
夫婦で食堂を切り盛りし、小さい時から息子をかまってあげられなかったのが原因でしょうか。
夫が酒を飲むと夫婦喧嘩になったことへの反発でしょうか。
表面的な分析では深層心理は判らない
基本は人間にも猿の本能が息づいているということ
そして、猿の本能も学ばなければ身に付かないということです。
猿の群れで子供が育つとき、オスは大きくなると群れを追放されます。
追放されたオスは単独で餌をとり、敵と戦いながら旅をします。
そして生き残ったオスはたくましくなり、元の群れに戻ったり新しい群れに出会います。
そこでボス猿と戦い、生き残れば新しいボス猿となります。
こういう冒険の旅が、オスには必要です。
「冒険の旅」を経験した人間のオスも「勇気ある男」になることができます。
「勇気ある男」の父親からしか、「勇気を獲得する智慧」は得られません。
「勇気のための冒険の旅」をした男から、「勇気を獲得する方法と憧れ」をもらい、少年は旅立つことができます。
しかし社会的洗脳下で育った父親は、その「勇気のための冒険の旅」をした男ではありません。
だから、本人がどうがんばっても「冒険の旅」に出かけることができないのです。
勇気がないからです。
自分の父親にも、勇気がないから、それをもらえないのです。
だから怒っているのです。
しかし、心の表面では「それが母親に対する怒り」に思えます。
そこで「母親の甘やかし」が原因だと、よく勘違いされます。
決定的な原因をいうと、父親が「勇気ない男」だということです。
ですから、これを解決する根本的なものは、なかなか難しいものです。
親子2代にわたるものですから、根本的解決は父親世代が行動しなければなりません。
つまり、父親がいまさらながら「冒険の旅」を経験することです。
その態度を見て、子供は父を尊敬し、そして「勇気」をもらうことが出来ます。
「俺の親父はすごいんだ!」そう思えて初めて、「勇気」をもらうことが出来るのです。
そのとき引きこもりをやめて、家を出ていく「勇気」を獲得します。
解決策は、父親がいまさらながら「冒険の旅」を経験することです。
Q.中3の息子が進路についての提出物を出してくれません。
先生にも親にもウソをつきます。
進路の事なのに、どうしてそんな大事なものを見せてくれないのか…と、
表面の行動にとらわれて「どうしようもない息子!!」と見てしまいます。
理由
これは自分に勇気がないことに気づき始めた時期です。
将来が展望できないから、進路の事を決めるのが怖いのです。
Q.中学2年生の末娘に、最近、勉強意欲がみられません。
言葉遣いも悪くなり、「高校に行きたくない」と言い出しました。
友達の影響なのか、自転車通学のヘルメットも着用しなくなり、三者面談では、担任の先生からも「やる気がなくなってきています」と指摘されてしまいました。
どうしてこうなってしまったのか原因が分からず、接し方にも悩んでいます。
理由
これも自分に勇気がないことに気づき始めた時期です。
将来が展望できないから、進路の事を決めるのが怖いのです。
私自身が小学生の頃から登校拒否気味で、中学に上がってから本格的に学校に行けなくなりました。
最初の理由は「いじめ」でしたが、途中から「親に振り向いて欲しい」という気持ちが大きくなりました。
最初の頃は「うちの子が不登校なんて世間が何て思うか!」とランドセルと一緒に家を追い出されては公園の隅で隠れて泣いてばかりでした。
登校してもいじめられて最終的に先生に知られてしまい「チクったな!」と悪化して不登校。
それでも母は周りに知られない為にひた隠しにして家から殆ど出してくれず(一人は無理でしたが家族となら外出出来ました)数年の間出掛けるなら日曜のみ、若しくは夜間のみでした。
母からしたら「娘が直接他人に「学校はどうしたの?」と言われて傷付かない為」と言ってましたが、恐らく世間体だったと思います。(父が激しく世間体を気にして家族に厳しく言う人だったので)
それから徐々に理解をした「つもり」の母は間違った優しさで私を甘やかし、時には厳しく縛り付け。
「過保護」と「過干渉」ですね。
まとめ
金持ちたちが貧乏人を這い上がれないようにしている仕組みを「社会的洗脳」と言います。
この仕組みにより社会に大きなひずみが生まれています。
引きこもりの原因は、依存です。
依存も世代を、またいだものです。
親子2代にわたるものですから、根本的解決は父親世代が行動しなければなりません。
つまり、父親がいまさらながら「冒険の旅」を経験することです。
その態度を見て、子供は父を尊敬し、そして「勇気」をもらうことが出来ます。
「俺の親父はすごいんだ!」そう思えて初めて、「勇気」をもらうことが出来るのです。
そのとき引きこもりをやめて、家を出ていく「勇気」を獲得します。
解決策は、父親がいまさらながら「冒険の旅」を経験することです。
しかし、子供世代が単独で「社会的洗脳」から抜け出すことも、不可能ではありません。
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