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日本のアニメはイケてるのに実写映画がダメなのには意外な理由があった

   

日本の実写映画・テレビドラマで、

役者の演技が下手なのには意外な理由がありました。

それは役者自身の下手さというより、「日本人の特徴」が関係していたのです。

この「日本人の特徴」には、もちろんあなたも私も該当します。

では演技が下手に見える特徴とはなんでしょうか?

アニメはイケてるのに

1・日本人はおとなしい

日本人は基本、大きなリアクションをしません。

もっとハッキリ言うと「無表情」なのです。

じつは日本人であっても心の中には感情が渦巻いているので、感情がないわけではありません。

しかしそれを顔に出す習慣がなかったり、感情的な言動を慎む雰囲気の社会であるために、欧米人に比べると圧倒的に「無表情」なのです。

これが映画やテレビドラマにする時に邪魔になります。

アメリカ人の様に大げさなジェスチャーや喜怒哀楽を激しく出す人々の方が、映画向きなのです。

そんなアメリカ人の真似を無理にしているような感じが、日本映画には感じられてしまいます。

例えて言えばこれは「ロケット発射成功」の日米の違いのようなものです。

アメリカのNASAだと、新型ロケットなんかが成功した時にはオペレーターや科学者が歓声をあげたり抱き合ったりする様子が伝えられます。

それに対し、日本のJAXAは違いますね。

普通だとリアクションも小さい時が多いです。

ところがJAXAも、NASAの職員が歓声をあげたり抱き合ったりするのに影響されたりします。

最近ではJAXA職員がNASAの真似をして、ハイタッチをしたり歓声をあげたりするのですが、どこかぎこちないのです。

それは田舎から東京に出てきた旅行者が、都会人のふりをするぎごちなさによく似ています。

日本映画の役者のオーバーなアクションはそれと同じで、JAXA職員がアメリカ人の真似をしている感じと言えば伝わりやすいと思います。

日本だと抱き合ったりするのは少数派

 

2・日本映画の演技下手は役者のせいではない

しかし日本のアニメなんかは世界的にも評判が高いのに、なぜ実写映画だとあんなにダメなのでしょうか?

それには観る方の感じ方が関係しています。

アニメだと、どんなに頑張って絵を描いてもそれが虚構の世界だと、ひと目でわかります。

そもそもアニメにした理由はある種の虚構を描きたかったからであって、出来るだけリアルにしたいなら実写にすべきなのです。

アニメは最初から「絵空事」だという前提の元に造られ、観る方もそういう前提があることを知って見ています。

だから登場人物が日本人でありながら、オーバーアクション気味でも不自然さを感じません。

ところがこれを実写にして生身の人間が演じると、それが日本人が演じたものであればオーバーアクションが鼻につきます。

自分の知っている日本社会と無意識に比べて、「そんな反応する日本人はいないだろ?」という感想が常につきまとうのです。

これに現在の日本映画界が持つ欠点が拍車をかけます。

日本の若い俳優はモデル出身の人が圧倒的に多いです。

 

モデル出身の美男美女が、日本社会では在り得ないオーバーアクションで演じるので、ますます嘘くさくなるのです。

日本の恋愛映画でよくあるパターンは、モデル出身の美男美女が、高校生に扮して現実にはなさそうな設定で恋愛を演じるものです。

漫画原作ものです。

ああいう映画は、主人公二人のどちらかのファンでない限り見るに堪えないものになりがちです。

特にヒロインが不治の病に冒される設定のものは、妙なデートシーンとか泣き叫ぶ演技とか見せられることが多いものです。

つまり内容が予想出来てしまうのですね。

しかしそれは役者のせいではありません。

小松奈菜168cm 福士蒼汰183cm

3・監督がお粗末

日本映画だと予算が少ないので、映画のあるシーンの本番までの撮影を三日ぐらいで撮らなければならないことが多いそうです。

「本番までの三日」とはどういう意味でしょうか?

例えば映画ではなく、現実の場面で子供の学校のPTA活動を嫌々やっている主婦がいるとします。

そんな主婦の顔を見るのが嫌な夫は、「そんなんなら、やめちゃえよ」と言ったします。

それに対し主婦の方は、「何よ、あんたは私の苦労を知らないのよ!」と反論したとします。

この主婦の年齢が30歳だとすると、その30年の人生に色々なことがあって、その色々なことが反映されてのセリフにならなければなりません。

気弱なタイプの女性が生きた30年だとすると、「何よ、あんたは私の苦労を知らないのよ!」というのは涙ながらの言葉になるはずです。

強気なタイプなら、夫の襟をグッとつかんで、「何よ、あんたは私の苦労を知らないのよ!」というかも知れません。

この30年の重みがあるから、いろんなパターンの中の最適な「何よ、あんたは私の苦労を知らないのよ!」にならなければならないのです。

演技で行う時は、30年の重みを役者が想像して造らないといけないのです。

その30年を、日本映画では役者が三日で造らねばならないのです。

想像力が貧困な若い役者にはこれは無理な相談で、結果ステレオタイプな演技になりがちです。

リアルな演技というのは、日常生活で見る不自然さのない交流とおなじようなものでないといけません。

そして日常生活で見る不自然さのなさというのは、それまでの人生に裏打ちされた一貫性が必要です。

例えば昔、森繁久彌さんが東宝のSF映画で「世界大統領」を演じたことがありました。

しかし「世界大統領」は存在しないので、誰も見たことがありません。

だから森繁久彌氏は自分で「世界大統領」の演技はこんな感じだろう?と想像して演技したというのです。

でもそれは森繁久彌氏の想像の「世界大統領」でしかないわけです。

本当に「世界大統領」が存在する世界があったなら、それに対応する緻密な設定が必要なのです。

その緻密でリアルな設定の結果から、「世界大統領」はこういう人生を歩んだ人でこういう性格で、こういうライフスタイルを余儀なくされると結論されるはずです。

例えばひとりで行動することはないとか、じつはけっこうイライラしているとかの演技の内容が自動的に決まるはずなのです。

ところが日本映画では、そういう作業は役者の裁量に任されているのが実情です。

本来これは監督や脚本家の仕事であって、日本映画は画面にはでない緻密でリアルな設定が抜けているのです。

監督や脚本家に裏設定のような緻密さリアルさを追求する姿勢がないから、そこは役者が想像して埋めるしかありません。

その結果、下手な演技に見えてしまうのだと思います。

森繁久彌氏の「世界大統領」

まとめ

宮崎駿監督の「もののけ姫」の裏設定はけっこう人間関係がドロドロしてるそうです。

例えばエボシ御前は若い時外国に売られた悲しい経験があるということです。

そしてもののけ姫サンは、じつはエボシ御前の子供であるという設定だそうです。

そういう設定は映画の中では語られませんが、そう言われてみるとサンがエボシ御前の子供であるということが納得できる描写があったような気がしてきます。

アニメの場合、日本の実写映画のように「それぞれの役者が自分が演じる役を想像力を使って演じてくれること」はありません。

アニメは全部絵に描いているのだから、すべてを監督が考えないといけないのです。

それゆえに、日本の実写映画の欠点である役者の裁量に任されている部分が存在しません。

日本のアニメは評判が高いのに、実写映画だとダメなのはここに原因がありそうです。

※想像力を駆使するのは監督の仕事であって、役者がこれをするとダメ映画になる

エボシはサンを殺さない

追加情報

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