シリアのアサド大統領亡命でわかった日本のテレビの底の浅さ

内戦が続いていたシリアで

反政府勢力が8日、首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領は後ろ盾となってきたロシアに亡命したと伝えられ、政権は崩壊しました。

シリアでは反政府勢力を主導した組織の指導者が演説し、「この勝利は歴史の新たな1ページで、地域にとっての転換点だ」と述べました。

アサド政権の崩壊から一夜が明けましたが、これまでのところ大きな混乱は伝えられておらず、国外に避難していたシリア人が帰国する動きも広がっています。

しかし日本では突然降って湧いたかのようなニュースに、何が何だかわからないというのが本当のところでしょう。

アサド大統領

1・マスコミは死んだ

本当はとっくの昔に死んでいたのですが、2024年になってそれが誰の目にも明らかになりました。

日本では突然降って湧いたかのようなアサド大統領亡命のニュースです。

そもそもメディアとはギリシャ神話に出てくる魔女の名前で、平たく言うと「予言者」みたいな感じです。

テレビや新聞のような報道機関が世界情勢や社会の「予言者」的存在であった時、畏敬の念を込めてメディアと呼ばれ始めました。

しかし今、そういう能力はまったくありません。

もしそういう力が「（オールド）メディア」に残されていたのなら、シリアで亡命事件が起きそうだということを予言できたはずです。

この一件だけでなく、ロシアがウクライナに攻め込んだときも何が何だかわからないという報道ぶりでした。

おまけに戦争が始まった時、「ウクライナは一週間で制圧される」などと、池上彰は言っていました。

今年になってもトランプ大統領の当選を見通せなかったことや、石破茂が国民人気が高いというウソ

さらには兵庫県知事選挙の「本当のこと」を報じることができない「（オールド）メディア」。

ＳＮＳが諸悪の根源だと言い出す有様です。

だからアサド大統領亡命を急に言い出しても、あなたもテレビや新聞はそんなものだとしか思わなかったでしょう。

2・中東の歴史

なぜシリアのアサド大統領が亡命しなければならなかったのかを含めて、中東情勢を理解するにはあの地域の歴史を知る必要があります。

では、中東の歴史とは何か？

それは「十字軍」です。

十字軍を送り込んだのはヨーロッパ諸国ですが、中東の国々はこれに何度も攻め込まれています。

日本の歴史で言うと、元寇が繰り返し500年ぐらいに渡って攻めてきたようなものです。

ではなぜ十字軍が送り込まれたのでしょうか？

それはイスラエルの首都テルアビブに、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教それぞれの聖地があるからです。

1095年にローマ教皇ウルバヌス2世の呼びかけにより、キリスト教の聖地エルサレムの奪還のためというのが始まりと言われています。

「誰の手」から奪還するかと言うと、イスラム教徒です。

しかしキリストの愛を説くキリスト教がどうしてこのような残虐な戦争を始めることができたのでしょうか？

それはローマ教皇がこの戦いの大義名分のために「キリスト教徒でない者は人間ではない」と言ったからです。

イスラム教徒は人間ではないのだから殺してもいいという論理です。

この理屈は何世紀にもわたって生き続け（今も生きているというのが世界の常識）、アフリカ人を黒人奴隷にしてもいいという根拠になりました。

東南アジアを植民地化したのも、蒙昧な野蛮国を啓蒙してやろうという建前だったのです。

つまり歴史をつぶさに見るなら、キリスト教こそが諸悪の根源です。

十字軍遠征

3・現代になっても

このようにヨーロッパ諸国は長く中東地域に執着し、戦乱の種を振りまいてきました。

あげくの果てには、イスラエルというユダヤ教の国を無理やり建国しています。

このように中東の人々はヨーロッパ諸国とその子孫であるアメリカに、強い恨みを持っています。

ところが工業化社会になり、蒸気機関から石油燃料の動力にエンジンが進化しました。

それだけでなく石油はプラスチックなどの原料に使えることもわかりました。

その万能の石油が、じつは中東の砂漠に大量に眠っていることがわかったのです。

そこで欧米は中東の現地人を王族に取り立て、石油の利権を与えました。

さまざまな欧米諸国が、中東地域を分割して自分の支配下の「国」を造ったのです。

中東の地図を見ると国境が直線で構成されていることがわかります。

あれは古くからの国境ではなく、欧米諸国が人工的に造った国境線だからです。

欧米諸国が勝手に造った国境線だからです。

このように、欧米に対する憎しみ、イスラム教徒の怒り、石油利権の巨額のおカネ。

こういうものが入り混じった複雑な背景があるのが、中東です。

まとめ

日本では突然降って湧いたかのようなアサド大統領亡命のニュースです。

そもそもメディアとはギリシャ神話に出てくる魔女の名前で、平たく言うと「予言者」みたいな感じです。

テレビや新聞のような報道機関が世界情勢や社会の「予言者」的存在であった時、畏敬の念を込めてメディアと呼ばれ始めました。

しかし今、そういう能力はまったくありません。

ただ外信が伝えるニュースをその場その場で垂れ流しているだけです。

池上彰とかけて

セブンの弁当　ととく

そのこころは？

底が浅い

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