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記憶術 場所法はテストや受験・資格試験対策に使えないネット詐欺で40万円失った私が説明

      2021/04/21

記憶術 場所法は

テストや受験・資格試験対策に使えません。

その理由はネット検索しても見つけることはできません。

ここではノーベル賞受賞者の高名な理論をもとにして、記憶術 場所法はテストや受験・資格試験対策に使えない理由を説明します。

記憶術を求める人は暗記力に自信がなく、そのため「記憶術に過大な期待」を抱きます。

しかしその期待が仇となって、高額な受講料を支払って後悔する人がいます。

あなたが後悔しないために、この記事を読んでおくことはいいことかもしれません。

この記事であなたが得すること(目次)

1.記憶術場所法の説明(シモニデスの記憶術)

2.なぜ記憶術場所法は凄いのか?ノーベル賞受賞者の理論

3.なぜ記憶術場所法は使えないのか?脳科学で説明


この記事の信憑性

・ノーベル賞受賞者の理論で説明

・ネット詐欺で40万円失った私が説明

・記憶術は受験対策にならない脳科学的理由

やさしく解説していますので、誰でもすっと読めます

1.記憶術場所法の説明(シモニデスの記憶術)

記憶術場所法の起源は古く、古代ギリシャのシモニデスが発明したと言われています。

約2500年前です。

当時は文字情報を記録する紙や筆記具が高価な時代だったので、多くの人が暗記力がありました。

シモニデスは詩人だったので、言葉の暗記力は抜群です。

そこを割引いて、記憶術のやり方を見てください。

記憶術場所法の起源

ある時シモニデスが詩の朗読に招かれて、パーティーに出席しました(詩人とはそういう仕事だったのです)。

ところがシモニデスに使者が来て、外で話を聴いている時、大地震が発生。

パーティー会場の建物はぺっちゃんこ。

当時の建物は石造りなので、地震で倒壊するとそういう事態になり、全員死亡です。

死体はひどく痛んで、誰が誰かわかりません。

唯一の生き残りのシモニデスが、記憶を探って、誰が誰か思い出そうとしました。

それは例えばこんな感じです。

「入口すぐのテーブルに佐藤さんがいて鈴木さんと楽しそうにしていた。

その奥のテーブルには、斉藤さんがいて、斉藤さんは愛人の高橋さんといちゃいちゃしていた。

その向こうには、田中さんと伊藤さんがケンカしてた」

みたいな思い出し方で、全員を思い出すことができました。

それでテーブルごとに誰がいたかがわかって、全員の身元がわかったということでした。

これがきっかけとなって、場所(テーブル)と思い出したいもの(名前)を結合させて記憶する術が出来ました。

これがシモニデスの記憶術です。

最近、この方法がじつに優れた方法だと脚光を浴びています。

それはノーベル賞受賞者の理論からです。

2.なぜ記憶術場所法は凄いのか?ノーベル賞受賞者の理論

2014年のノーベル生理学・医学賞は、ロンドン大学のジョン・オキーフ博士らの場所細胞の発見に贈られました。

これは、脳細胞の中にある場所細胞の発見です。

動物が自分の周りの環境を地図にしようとするとき活性化する、海馬にある神経細胞を場所細胞と言います。

また格子細胞もジョン・オキーフ博士らによって発見されました。

これに対し、格子細胞は、嗅内皮質(海馬とつながっている領域)に位置し、メンタルマップを作ります。

なぜ場所と匂いが関係しているのでしょうか?

それは私たちの祖先が、ジャングルに住む猿だったからです。

例えばバナナがたくさんある場所を記憶することは、猿の生き残りには重要な要因になります。

そういう場所は、おいしいバナナの匂いがします。

だから場所を記憶する細胞と、匂いの細胞とが密接な関係にあると発見したのが、オキーフ博士らのノーベル賞でした。

これにより、場所と覚えたいものを結び付けることは非常に強力な方法だと、シモニデスの記憶術を教える講師たちは主張しています。

さあ、それでは記憶術場所法のやり方、具体的な方法を説明しましょう。

記憶術場所法のやり方

ここでは記憶したいものは「テーブル」「大蛇」「バナナ」「愛人」とします。

あなたがよく知っている道を思い浮かべて、その道にあるポイントを4つ選びます。

そのポイントは順に

1・工業高校

2・信号機

3・ヤマダ電機

4・本屋

とします。

これらを組み合わせて、エピソードを造ります。

1・工業高校の校庭でテーブルを燃やしていた

2・信号機には大蛇がぐるぐる巻きで、カラスを食べていた

3・ヤマダ電機でバナナがなぜか大安売りだった

4・本屋では毎木曜日私の愛人がバイトしている

こういうエピソードを一対一対応で、覚えたいアイテムの数だけ造ります。

これが出来たら、記憶の中でその道を思い出すだけで、記憶したアイテムを思い出すことができます。

これが記憶術場所法の基本のやり方です。

発展形として、道ではなく自宅の各部屋とか庭などを、場所に指定する方法もあります。

慣れてきたら、実在する場所だけでなく架空の宮殿などでもこれを行うことができます。

そのような想像の宮殿を使う場合、メモリーパレス法とか、記憶の宮殿法とか呼ばれることが多いです。

記憶の宮殿ならいくつでも部屋を造れるので、いくらでも記憶することができます。

記憶の宮殿なら、いくらでも記憶することができるので最高の方法だと記憶術講師は主張することが多いです。

本当でしょうか?

あなたもお気づきのように、記憶術でなんでも暗記できるのであれば、テストや受験・資格試験対策にこれほど便利な方法はありません。

しかもこの記憶術は2500年前から知られているのです。

そうであるなら学校や塾で、もっと教えられてもいいのではないでしょうか?

なぜ記憶術は、そろばんや書道のように、学校や塾で教えられないのでしょうか?

再度言いますが、記憶術でなんでも暗記できるのであれば、テストや受験・資格試験対策にこれほど便利な方法はありません。

記憶術は、なぜ学校や塾で教えられないのでしょうか?

それは記憶術をテストや受験・資格試験に使えない大きな理由があるからです。

次にそれを説明します。

3.なぜ記憶術場所法は使えないのか?脳科学で説明

記憶術場所法は使えない1

ノーベル賞受賞者カーネマン博士理論から

前章で紹介したのは、ジョン・オキーフ博士らの2014年のノーベル生理学・医学賞でした。

これは脳の中に場所の存在を記録する専用の脳細胞があるというものです。

記憶術場所法の有効性を主張する人は、これを根拠にすることが多いです。

しかし同じノーベル賞受賞者カーネマン博士の理論もあります。

こちらは脳の活動には「システム1」と「システム2」があるという理論です。

人が記憶したり、論理的に物事を考える脳の働きを「システム2」と言います。

カーネマン博士の理論によると、「システム2」の働く前に、「システム1」が情報を選り分けると言っています。

その情報を、記憶したり、論理的に物事を考える前に、「システム1」が情報をより分けて「システム2」に送るかどうか判断しています。

その「システム1」の判断基準は、感情的です。

つまり「システム1」は脳の門番であって、それを記憶するかどうかは門番が決めているのです。

記憶できない時の脳

判断基準は「感情的」ですから、面白い情報だと記憶できます。

面白くない情報は記憶できません。

もしあなたが数学が苦手な学生であったなら、数学の公式を暗記することができなかったと思います。

それは、脳の門番である「システム1」の仕業です。

面白くないものは、記憶できないのです。

こういうところから記憶術場所法を見ると意外なものが見えます。

つまり記憶術場所法は、場所と覚えるものを組み合わせて「物語」を造る方法なのです。

その物語は、面白くなければなりません。

面白くない物語だと、「システム1」が覚えなくてもいいと判断するからです。

ここで、前に書いた次の文を思い出してください。

2・信号機には大蛇がぐるぐる巻きで、カラスを食べていた

3・ヤマダ電機でバナナがなぜか大安売りだった

これらは異常なこと、だから面白いのです。

だから記憶に残ります。

つまり記憶術場所法はカーネマン博士の理論によると、ただ物語を造るだけではダメなのです。

面白い物語でないと記憶できないのです。

もし先の文が次のようだったら、記憶に残るでしょうか?

2・信号機にはカラスがとまっていた

3・ヤマダ電機でテレビが大安売りだった

平凡で当たり前なのでそれほど記憶に残らないと理解できると思います。

しかし、そうだとすると大きな問題があります。

「面白い物語」を大量に造ることが、記憶術場所法になります。

ところがこれは大変疲れる作業で、しかも「面白い物語」を大量に造ることは才能の無い人には困難です。

こういう点が、テストや受験・資格試験対策に、記憶術場所法が使えない点です。

実際、記憶術講座を受講したけど結局使わないで、昔ながらの暗記法に戻ったという人がたくさんいます。

記憶術場所法は使えない2

テストや受験・資格試験に出る問題は、「テーブル」「大蛇」「バナナ」「愛人」のようなものではありません。

「テーブル」「大蛇」「バナナ」「愛人」は具体的で、誰もがそれがどういうものか知っています。

しかし、テストに出るものは違います。

ここではテスト問題として、戦国時代で考えます。

試験のための勉強として、日本史で次の項目を覚えなくてはいけないとします。

「戦国時代」「川中島の合戦」「本能寺の変」「関ヶ原の戦い」

これらを「テーブル」「大蛇」「バナナ」「愛人」のように何とか記憶できたとしましょう。

それで日本史のテストに挑んだとします。

日本史の問題

安土桃山時代が終わることになった歴史敵事件は次のうちどれか?

1・川中島の合戦

2・本能寺の変

3・関ヶ原の戦い

どうでしょうか?

記憶術で記憶できるのは、アイテムの「名前だけ」です。

名前だけ知っていても、「安土桃山時代が終わることになった歴史敵事件」がどれであるかはわかりません。

そもそも、戦国時代と安土桃山時代の違いが、「名前だけ」覚えたのではわからないと思います。

内臓の名前だけ憶えても医者にはなれないのと同じことです。

弁護士になるには、法律の条文だけ暗記しただけではなれません。

「それの内容を理解」できなければ、文章を暗記しただけでは役に立たないのです。

しかし記憶術を習えば、資格試験にすぐに合格できると思う人が多いものです。

まったく読んだことのない日本史の教科書を持ち込んでも、日本史のテストは解けないのです。

それと同じで、ただ言葉だけを覚えても、テストや受験・資格試験には使えません。

記憶術は王道の勉強を補助できるものに過ぎないのです。

記憶術が勉強の王道になることはありません。

記憶術場所法は使えない3

記憶の構造についてかまどたんじろう(竈門炭治郎とは、漫画・アニメ『鬼滅の刃』の主人公)で考えます。

脳がある記憶(ここでは竈門炭治郎)について思い出そうとする時、それに関係する記憶の全部をアクティブにします。

記憶は脳内に神経ネットワークとしてしまいこまれていますが、竈門炭治郎について思い出そうとする時、関係する記憶の全部をアクティブにします。

竈門炭治郎を思い出そうとする時、『鬼滅の刃』の神経ネットワークがアクティブになります。

しかし、『鬼滅の刃』が所属する神経ネットワークは人により異なります。

ある人は映画「鬼滅の刃無限列車編」ですし、ある人はアニメ「鬼滅の刃」ですし、ある人は少年ジャンプコミックス「鬼滅の刃」です。

熱心なファンなら、この三つ全部がアクティブになります。

普通に物事を思い出そうとするときは、「それに関わるもの全部」を思い出し、その中から目的のものを探します。

これが「普通に思い出すとき」脳で起きていることです。

それに対し、記憶術はこうはなりません。

記憶術場所法で「竈門炭治郎」を記憶しようとする人を考えます。

もし記憶術場所法で「竈門炭治郎」を記憶しようとする人がいるとしたなら、その人は「鬼滅の刃」を知らない人です。

歴代一位の映画興行収入を上げた「鬼滅の刃」ですから、「鬼滅の刃」を知らない人はおそらくいないでしょう。

しかしここでは、それを知らない人だと考えます。

それで場所法を使って、ヤマダ電機で「竈門炭治郎」のフィギュアが投げ売りされていた、と覚えるとします。

するとこの人は「竈門炭治郎」を覚えただけで、「鬼滅の刃」を知らないままです。

鬼滅の刃に関する神経ネットワークがアクティブになりません。

というか、鬼滅の刃に関する神経ネットワークそのものがない人でしょう。

先にも言いましたが、これではテストや受験・資格試験には使えません。

テストや受験・資格試験には使えるためには、それを取り巻く神経ネットワークがアクティブになる必要があります。

これに関しては、他の記事で詳しく説明しましたのでそちらをご覧ください。(最後にリンク有り)

そちらを見ると、人間の「記憶の構造」が理解できます。

じつは記憶術を正しく理解し、使いこなすためには、人間の「記憶の構造」を理解していないとできません。

あなたが記憶術を使いこなして、テストや受験・資格試験には使おうと思う人なら、詳しく説明した記事をお読みになることをお勧めします。

「鬼滅の刃」も日本史の「戦国時代」「安土桃山時代」も、人の記憶の構造としては同じものです。

「鬼滅の刃」の神経ネットワーク構造を理解すると、日本史の「戦国時代」「安土桃山時代」の神経ネットワークも理解できます。

日本史の「戦国時代」「安土桃山時代」の神経ネットワークを理解できるなら、他のすべてのテストや受験・資格試験で覚えるべき「記憶の構造」がわかります。

記憶術場所法は使えないのか?まとめ

 

1.記憶術場所法の説明(シモニデスの記憶術)

現実世界の「場所」と「記憶したいもの」を一対一対応で覚える技術

 

2.なぜ記憶術場所法は凄いのか?ノーベル賞受賞者の理論

ノーベル賞受賞ジョン・オキーフ博士の場所細胞の発見

場所を記憶する脳細胞があることがわかった

だから「場所」と「記憶したいもの」を一対一対応で覚える技術は有効

 

3.なぜ記憶術場所法は使えないのか?脳科学で説明

理由は三つ

記憶術場所法は使えない1

ノーベル賞受賞者カーネマン博士理論から

物語を造ることはめんどくさい

 

記憶術場所法は使えない2

例えば戦国時代を覚えるにはここの名称だけ覚えてもダメ

それでは試験問題は解けない

内臓の名前だけ知っても医者になれないのと同じ

 

記憶術場所法は使えない3

脳内神経ネットワークの意味を知らないと記憶術は使えない

「記憶の構造」を理解しないと、テストや受験・資格試験では使えない

 

「テストや受験・資格試験には使えるためには、それを取り巻く神経ネットワークがアクティブになる必要」の記事

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精神工学研究所 山西 茂

筆者についてwatashi

長く建設会社に勤めながら瞑想行や神秘業を、科学的に研究する。

建設会社をリストラされたのを機に、中小建設業生き残り研究会を立ち上げ、建設会社の新規事業開発やマーケティングを研究する。

しかし、中小建設業生き残り研究会のDVDの売れ行きに悩み、瞑想中の啓示により変性意識開発のDVDを製作・販売する。

ネット事業に活路を見出し、瞑想による願望実現のホントとウソの研究にシフトしていく。

宗教色を排した、科学的瞑想の研究を勧める。

25年以上の瞑想の結果、自分の脳がどういう機構で動いているのかをリアルタイムで観察できる技術を身に着ける

それを使って記憶術などを分析、これまでの記憶術講師が知らないことを発見した。

脳科学の研究を40年、書籍代は1237万円を超えた

 

 

四国の山中に在住、時々東京や大阪でセミナーを開催。

これを読まないと記憶術を役立てることはできません/誰も言わない真実

 - 記憶術

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