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記憶術が胡散臭いと言われるたったひとつの理由とは?/ノーベル賞受賞者カーネマン理論で説明

      2021/04/02

記憶術が胡散臭いと言われる理由は

値段が高いからです。

30万円を超える高額な記憶術講座がありますが、それで胡散臭いと言われます。

はたしてその金額は適正なのでしょうか?

あなたが高額な記憶術講座を受けるとして、本当に効果があるのでしょうか?

この記事であなたが分かること(目次)

1.記憶術がなぜ胡散臭いと言われるのか?理由

2.「記憶術なぜ胡散臭い」本当は使えない人がいるのでは?

3.「記憶術なぜ胡散臭い」本当に使えるための無料の方法


この記事の信憑性

・ノーベル賞受賞者カーネマン理論で説明する

・カーネマン理論の「システム1」と「システム2」

・記憶術本当に使えるのか?すっきりわかります

 

1.記憶術がなぜ胡散臭いと言われるのか?理由

記憶術は学術的に大学や公的研究機関で研究・開発されたものではなく、市井の人が編み出したものです。

しかし、テスト勉強や資格試験、仕事などにおいて「すぐに簡単に記憶できる方法」の需要は非常に高いものがあります。

ところがそれを受講して自分のものにしようとしたとき、受講料が高額であったとき躊躇します。

本当に効果があると保証してくれれば、高額であっても受講したい人は多いのですが、もうひとつ信用できません。

この部分が、なぜ記憶術が胡散臭いと言われるのかという理由です。

2.「記憶術なぜ胡散臭い」本当は使えない人がいるのでは?

結論から言うと、本当は使えない人がいます。

※記憶術は万人には使えない

まず、記憶術ではなく「記憶できる」とはどういうものか?から考えてみましょう。

カーネマン理論の「システム1」と「システム2」を説明します。

脳に情報が入ってきたとき、それを処理する仕組みが二種類あります。

ひとつが「システム1」で、もうひとつが「システム2」です。

・「システム1」直感的・感情的な情報処理

・「システム2」論理的。非感情的な思考

そして「システム1」はいつも「システム2」より、速く強力です。

これはどういうことかというと、脳は論理的思考をする前に「システム1」という門番が情報の選別をしているのです。

「システム1」の仕組みは、直感的・感情的です。

ですからある情報が入ってきたとき、それに対し「システム1」が不要だ、と判断したらもうそれ以上入っていきません。

つまり記憶されないということです。

その判断基準は、直感的・感情的ですから、「つまらない」と感じたら記憶されません。

ですから記憶法、あるいは記憶術に関して大切なのは、覚えるべきものを「面白いもの」に変換できることになります。

ただし直感的・感情的でも、脳にとって必要なものは取り入れますから、面白くなくても重要だと判断したら入れます。

そういう時の判断基準に使われるのが、怖ろしいとか危ないというものです。

これの極端なものが、PTSDです。

 

大切なこと

そして記憶に関して、もうひとつ大切なことをいいます。

それは「知らないものは覚えられない」ということです。

私たちが記憶するとき、じつは記憶すべきものに関する既成情報が、脳内に存在することが必要です。

記憶とは新しい情報を、既成情報で連結したり組み立てたりしないと、理解も記憶もできません。

まったく知らないことは、記憶できないのです。

そしてまったく知らないことは、多くの場合抽象的なものになります。

まとめますと

・記憶できるためには「システム1」の検閲をパスする必要がある

・その判断基準は、直感的・感情的

・「知らないものは覚えられない」

・記憶すべきものに関する既成情報が脳内に存在することが必要

例えば今あなたはこの文章を理解し、記憶しようとしていますが、そもそも日本語を知らなければそれは出来ません。

あなたの脳内に日本語があるから、理解し記憶できるのです。

アラビア語みたいな日本ではあまり使われない言葉で書かれていたら、発音さえできないでしょう。

そういうものは、理解も記憶も難しいのです。

逆に言うと、面白くて理解しやすいものは、記憶しやすいものになります。

じつは記憶術の根本はこれです。

※面白くて理解しやすいものは、記憶しやすい

これがカーネマン理論の要諦です。

3.「記憶術なぜ胡散臭い」本当に使えるための無料の方法

さまざまな○○式記憶術がありますが、カーネマン理論の要諦から外れた記憶術は存在しません。

なぜならそれは、脳が理解と記憶するための基本だからです。

その記憶するための基本とは、「システム1」の検閲をすり抜けられることです。

記憶できない時脳で何が起きているか?

ではここで、一般に知られている記憶術のやり方を見てみましょう。

それは記憶すべきものと、場所とか、記憶すべきものどうしの関係とかを、組み合わせて物語を創るものです。

これ以外の記憶術は、ほとんどありません。

なぜ組み合わせて物語を創るかというと、それが面白いと「システム1」の検閲をすり抜けられるからです。

つまりいかなる記憶術も、それを扱う人の物語創造力が必要だということになります。

面白い物語を創る力がないと、記憶術はマスターできません。

記憶術の本当の仕組み

面白い物語を創る力がない人向け

面白い物語を創る力がないと、記憶術はマスターできないかというと、じつは抜け道があります。

面白く短い物語とは、例えていうと俳句のようなものです。

そして記憶術に使う俳句はどんなものでもいいのではなく、記憶に残る感動があるものでなければなりません。

つまり、凡句・駄句ではなく、名句でなければ記憶に残らないのです。

しかし、抜け道があります。

「記憶すべきものに関する既成情報が脳内に存在することが必要」と説明しました。

あなたは中学校の国語の時間に、俳句を作った記憶があると思います。

その時創った俳句をいまでも思い出せるかもしれません。

思い出せる人は多いです。

ところが、中学校の国語の時間に作った俳句は、ほとんどが凡句・駄句です。

それでも思い出せるというのは、なぜでしょうか?

それはその俳句に関する記憶が脳内にあるからです。

その俳句を作ったという経験の記憶がすでに脳内にあるから、それを思い出そうとしたとき記憶がよみがえるのです。

「記憶すべきものに関する既成情報が脳内に存在することが必要」とはそういうことです。

記憶術においても、短い物語を造って覚えようとします。

それが面白くない物語であっても、作ったという経験の記憶がすでに脳内にあるから、思い出しやすくはなります。

しかしその量が多くなるにつれて、面白くない物語はすぐに思い出しにくくなってしまうのです。

記憶術の教室で初めて記憶術を経験して、驚くほど覚えられて感激します。

ところがいざ自分で実践的に使おうとすると、使えなくなるのはこれが原因です。

面白くない俳句でも、初めての俳句は記憶に残ります。

しかし凡句・駄句のたぐいを大量に作れば、次第に忘れてしまいます。

いざ自分で実践的に使おうとすると、使えなくなるのはこれが原因です。

 

本当に使える記憶術のコツとは?

例えばテスト勉強のために次の項目を覚えるとしましょう。

享保の改革 1716年 将軍 徳川吉宗

田沼の政治 1772年 老中 田沼意次

寛政の改革 1787年 老中 松平定信

天保の改革 1841年 老中 水野忠邦

これは日本史のテストに出やすい項目ですが、似たような文字がならんでいて覚えにくいものです。

とくに「○○の改革」というのは、混乱して覚えにくいものです。

そういう時には、どういう時代背景があったのかということを理解したうえで、必要なら「記憶術を使う」べきです。

なぜなら細かいものの意味を理解していないで、ただ字ずらだけを覚えたのでは、忘れやすく記憶できないからです。

そういうものを理解し、覚えたあとで「キタカテ」と記憶すれば、これが頭文字になって順番を正確に思い出すことができます。

やり方

幕府の改革が始まったとき、市民への弾圧は熾烈だった。

特に南町奉行者は民衆を目の敵にしたため、多くの人は恨んだ。

ある時、北町南町奉行所の武術大会があった。

見物に訪れた聴衆からどこともなく、「北勝て」の大合唱が起きた。

「キタカテ」「キタカテ」

こういう物語を造るのが、記憶術です。

 

年号も語呂合わせの記憶術を使えば覚えられるでしょう。

しかし、理解がないものは記憶術を使っても、すぐに忘れてしまいます。

「記憶すべきものに関する既成情報が脳内に存在することが必要」だからです。

細かい具体的情報で補強されていない抽象化情報は、覚えることができません。

 

付録

次の二つを覚える時、どちらが覚えやすいでしょうか?

・アスコルビン酸

・アスコルビン酸はビタミンC

下の方が覚えやすいと思われます。

普通覚えるものは短い方が覚えやすいと思われがちですが、知っているものが入るなら長い方が覚えやすくなるのです。

ですから知らないものは短くても覚えられません。

長くなっても知っているものは、覚えやすくなります。

記憶術で使っているのは、この原理です。

まとめ

 

1.記憶術がなぜ胡散臭いと言われるのか?理由

効果がはっきりしないのに高額の教室があるから

 

2.「記憶術なぜ胡散臭い」本当は使えない人がいるのでは?

物語を創る才能がないと使いこなせない

 

3.「記憶術なぜ胡散臭い」本当に使えるための無料の方法

王道の記憶法をまず行う

王道の記憶法とは、細かいものの意味を理解して覚えること

その後で補助として記憶術を使わないと記憶できない

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筆者についてwatashi

長く建設会社に勤めながら瞑想行や神秘業を、科学的に研究する。

建設会社をリストラされたのを機に、中小建設業生き残り研究会を立ち上げ、建設会社の新規事業開発やマーケティングを研究する。

しかし、中小建設業生き残り研究会のDVDの売れ行きに悩み、瞑想中の啓示により変性意識開発のDVDを製作・販売する。

ネット事業に活路を見出し、瞑想による願望実現のホントとウソの研究にシフトしていく。

宗教色を排した、科学的瞑想の研究を勧める。

ヴィパッサナー瞑想はほとんど知らなかったが、本を一冊読んで「自分が行っていたのはじつはヴィパッサナー瞑想だった」と気がつく。

 

四国の山中に在住、時々東京や大阪でセミナーを開催。

 

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