精神工学研究所

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アンケート結果発表(宝くじの話)

   

恐ろしい宝くじ

新春企画、はぴさぷメルマガで取り上げてほしい話題を募集しました。

本日はこの件です。

「リクエストさせていただきます。

確証バイアス、認知バイアスに関する記事を書いていだだけないでしょうか?

最近この言葉を知ったのですが、なんでも、その状態に陥ると他のもっと有益な情報や知識を得るチャンスや可能性を自ら閉ざしてしまったり、もっと悪いと、誤った認識を修正できずに、それどころかますますそれを強化してしまい自滅へ向かってしまうとのことです。

いわば思考停止のような状態なのでしょうか?

私の身近に、その状態に陥っているのではないかと思える人がいて、本人はもちろん崖っぷちをギリギリ歩いているような感じで、周囲の人も対応に苦慮している状況にあります。

もちろん、私だって絶対そうならないとは断言できないので、確証バイアスについて、もっとしっかり知りたいと思っているところです」

宝くじは当たるのか?

 

1・恐ろしい宝くじ

 

認知バイアスを生じる理由は、人の脳が「複雑なものを見る」と考えることをあきらめるからだと言えるでしょう。

例えば宝くじの控除率は、55%です。

こういわれてもピンとこない人も多いのではないかと思います。

そこで単純化します。

体育館に100人の人を集めて、その100人だけに宝くじを買ってもらう実験をするとしましょう。

一人一万円分の宝くじを買うので、宝くじの売上金は100万円です。

そして抽選を行い、宝くじに当たった人全員を壇上にあげて、各人が当たった金額を申告してもらうとします。

すると、合計は45万円になります。

これを見れば、宝くじがいかにアコギなことなのか理解できると思います。

次に参加人数を10人にして同じことを行います。

今度は売上金10万円に対して、払戻金合計は45000円になります。

10万円に対して、払戻金合計は45000円というのでは、ヤクザの賭場よりひどいぼったくりです。

もしヤクザの賭場でこんなにひどいショバ代をとったなら、暴動が起きるでしょう。

※宝くじはヤクザよりひどい

最後にお客さんを一人に限定して同じことをしてみましょう。

そうすると、宝くじというのは「4500円を1万円で買うこと」だとわかるでしょう。

「4500円を1万円で買う」ようなバカはいません。

しかしこれが宝くじのように大きな単位で大規模に行われると、複雑に見えるので本質がわからなくなるのです。

これが確証バイアス、認知バイアスです。

宝くじはヤクザよりひどい

 

2・宝くじに使われている催眠効果

 

宝くじというのは「4500円を1万円で買うこと」だとわかれば、非常にあほらしいことだとわかるでしょう。

しかしそうは思わせない作戦が宝くじには三つあります。

1.国が行っているという権威性

2.少額で行えるという利便性

3.もしかしたら自分は当たるんじゃないかと思う性質

このうち権威性というのは催眠術では重要な要素です。

人は権威に従ってしまう性質があり、日本人は特にこれに弱いです。

お医者さんだと言えば、うら若い女性が平気で胸を見せてしまうので一種の権威催眠効果だと言えます。

宝くじも国が行っているという権威性が、売り上げに貢献しています。

あと一枚100円とか200円とかいう金額もついつい買ってしまう原因です。

そして、三つ目の「自分は当たるんじゃないかと思う性質」は知られていませんが、非常に強力です。

これを特に詳しく説明します。

日本人は権威に弱い

 

3・自分だけはラッキー!

 

宝くじ一等に当たる確率は2000万分の1で、これは交通事故で死ぬ確率3.4万分の1の588倍。

飛行機事故で死ぬ確率11万分の1の182倍です。

交通事故で死ぬような経験を600回ぐらいしたなら、一等に当たるかもしれません。

それほど、当たらない確率です。

それなのに、宝くじを買おうとする人は「当たったらなに買おうかな?家買って車買って旅行にも行きたいな」という風に、すでに当たっているようなことを夢見るのです。

じつこれには、深い理由があります。

私たちがサルだったころにジャングルや草原のような場所は、危険がいっぱいでした。

そんな時代、確率にして99%は死ぬという状況が何回もあったはずです。

でも、よく考えると確率にして99%は死ぬということは、100匹のうち1匹は生き延びるということです。

しかしそういう絶体絶命の状況で妙に物分かりがいいサルがいて、「これはもう助からんな!」と達観してあきらめたとしましょう。

100匹のうち1匹は生き延びるという場合、生き延びるために必死でもがいてやっと突破口が開くということが多いでしょう。

だから「これはもう助からんな!」と達観してあきらめるサルは生き残る確率がほぼ0になったと考えられます。

その結果、生き延びたサルの脳回路に、達観してあきらめたりしない性質が生まれたのです。

それはつまり、確率を正しく認識できないことなのです。

99%は死ぬという確率でも、「なぜか自分は生き残るだろう」という根拠のない自信が生まれるようにサルが進化し、それが人間になったと考えられています。

その結果(再度言いますが)、人間は確率を正しく認識できなくなったです。

自分の未来に関して妙に楽観的になる性質があり、これが宝くじを買わせる原動力になっています。

言い換えると、これが認知バイアスです。

もう一つ理由があって、こちらはプライミングと言います。

楽しいことを想像しただけで脳内に麻薬物質があふれ出るのです。

高い木の上においしい木の実があるのを見つけたとき、サルはあれを食べたらどんなにおいしいだろうと思います。

思わなければ、危険を冒して採りにはいかないでしょう。

つまり「見ただけ」で脳内麻薬があふれでないと、採りにはいかないものなのです。

それを食べた時に初めて、「ああおいしい!」と感じて脳内麻薬がでるのでは、採りに行こうという意欲にはなりません。

ですから、あれを食べたらどんなにおいしいだろうと思っただけですでに食べた気分になっているのです。

これがプライミングですが、「当たったらなに買おうかな?家買って車買って旅行にも行きたいな」と思うのはこれとまったく同じです。

温泉旅行を楽しむサル

 

まとめ

 

自分だけは確証バイアス、認知バイアスの罠に陥らないぞと思っていても、宝くじを買ってしまうということはすでに罠に落ちています。

人の脳には、サルの時代のサバイバルの仕組みが残っていて、自分の未来に関して妙に楽観的になる性質があります。

他にも様々な「現実を正しく認識できない仕組み」があります。

これが数多くの確証バイアス、認知バイアスの罠になります。

これらの罠に落ちない方法はただ一つ。

すべてを数値化して判断の材料にすることです。

※バイアスの罠に陥らないために役立つのは、「数学」

以前書いた

バイアスの罠に陥らない理論解説(5回シリーズ)

をお読みください。

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