学校の教科書が間違っていたという決定的証拠が見つかりました。
2024/04/06
教科書に載っている絵画は、
幼い頃誰でも一度は目にするので、とても有名な絵になります。
ところが世界的に有名なその絵が、とんでもない下手くそであると知ったらあなたはどう思いますか?
私たちは、世界的に有名な絵だと、だまされていたのです。
その画家は一体誰でしょうか?
どういう絵なのでしょうか?
そして、どうして世界的に有名な画家だと皆が言うのでしょうか?
不思議です。
まさかこれ?
1・その画家の名は
アンリ・ルソー、1844年5月21日から 1910年9月2日を生きたフランスの画家です。
この人の生涯について、ある美術評論家が事細かに説明していますが、それを読むとウイキペディアの説明でも結構いい加減だとわかります。
ルソーの有名な絵で、私が教科書で見たものは「眠るジプシー女」だったと記憶しています。
砂漠で眠る美女の顔をライオンがなめているような絵です。
あるいは、それとは違う絵で「飢えたライオン」という絵も教科書に載っていたと思います。
さて、アンリ・ルソーはとても絵が下手な画家でした。
それだけでなく、とんでもなく嘘つきだったのです。
彼は、ジャングルの絵を数多く書きましたが、それにはこんなウソが含まれています。
「飢えたライオン」という絵には、鹿のような動物がライオンに噛みつかれている様子が描かれています。
なぜ鹿のような動物と書いて、鹿と書かなかったかと言うと、下手過ぎて鹿かどうか判別できなかったからです。
そしてその舞台は、ジャングルです。
しかし、ライオンがいるのはアフリカの草原で、ライオンはジャングルには棲んでいません。
しかもルソーが描いたのは、メキシコのジャングルなのです。
なぜルソーが描いたのは、メキシコのジャングルかと言うと、当時フランスはメキシコと戦争したからです。
ルソーは若い時兵役についていて、その時にメキシコに行ったと語っています。
ところが記録を調べると、ルソーがメキシコに行った記録はなく、そればかりか外国へは一度も行ったことがないことが判っています。
だから本来いないはずのライオンがジャングルにいるかのように、想像だけで描いていたことがわかります。
ルソーは病的な嘘つき、あるいは誇大妄想の性質があったようで、本人はメキシコに行ったと信じ込んでいたと考えられています。
自画像、問題は足
2・絵が下手
ルソーは凄い画家のように言われていますが、最初に展覧会に出品した彼の絵を見て、多くの人がバカにして笑ったという記録があります。
というのは、当時の新聞にそう書かれていたからです。
ルソーは美術系の学校を出たとか、有名な画家の下で修業したということはなく、まったくの素人画家なのです。
そして素人でも玄人はだしというレベルではなく、めちゃくちゃ下手な素人なのです。
彼の下手さは、生涯変わりませんでした。
彼の初期の作品に自画像がありますが、この絵で彼は「浮いている」と評判になりました。
「浮いている」というのは、足を描くのがたいへん下手で、遠近感がないためと影の描き方が下手なせいで「空中に浮いているように見える」ためでした。
そして先にも書いたように、その下手さは生涯変わりませんでした。
だから最後まで、彼は「浮いている」人物しか描けませんでした。
それを批判されたルソーは、自分が足を描くのが下手だと自覚してある作戦を思いつきました。
それは草や葉っぱで、足元を隠すという作戦です。
そのためには、草木の多いジャングルが最適なのです。
他にルソーは草や葉っぱを描くことが得意で大好きだったようで、ジャングルの絵を数多く描いています。
そのジャングルは、前章で書いたように想像で描いたメキシコのジャングルなのです。
メキシコのジャングルには、ライオンはいません。
草や葉っぱで、足元を隠す可愛くない子供の絵
3・なぜ有名になった?
アンリ・ルソーはアメリカのメトロポリタン美術館にも展示があるほど有名な画家です。
そうでなければ、日本の教科書に載ったりはしません。
ところがその実態は、ウソつきでめちゃくちゃ下手な画家だったのです。
しかし彼の絵には、不思議な魅力がありました。
その魅力は彼の下手さから来ています。
近代絵画を代表する手法が、遠近法であると言っても反論は少ないと思います。
ところがアンリ・ルソーは、遠近法がまったく描けない、知識も技術もない人だったのです。
その結果、空中に「浮いている」人物しか描けませんでした。
他にも前後の人間の位置が判らないような構成の絵とか、平板な絵に描かれたような人物があります。
「眠るジプシー女」は砂漠で眠る美女の顔をライオンがなめているような絵ですが、これも平板な絵に描かれたように見えます。
彼の下手さの大部分は、遠近感が全然ない、あるいは遠近法を無視したようなところによるものです。
そしてそういう特徴は、幼児が描く絵の特徴でもあります。
まさに子供の絵なのです。
大原美術館所蔵の彼の絵に遠近感の無さがよく現れています。
ところが彼には、色の使い方がとても独特なものがあり、それが遠近感が全然ない絵に合っていて不思議な「味」があるのです。
遠近感が全然ないために現実感がなく、それが独特な色と相まって、夢の中身を描いたような感じがあるのです。
下手くそであるが故の、不思議な「味」です。
そういう部分が、若い時のピカソにより見いだされ、そのために「ヘタウマ」が評価されるのです。
つまりルソーは、最初から最後まで下手くそな画家だったのですが、時代の評価の移り変わりでとんでもない大画家と称されるようになったのでした。
これが日本の美術教科書に、アンリ・ルソーの下手くそな絵が掲載されている理由なのです。
まとめ
音楽の世界ではシンセザイザーが発明された時、スタジオ・ミュージシャンは失業するだろうと言われました。
実際今のレコーディングでは、シンセザイザーが活躍しているそうです。
絵画も同じような事情があって、遠近感を上手く描ける美術家や絵師は、掃いて捨ているほどいます。
マンガの世界でも、遠近感を上手く描けるだけの人は、背景だけを描く専門のアシスタントで一生を終わるでしょう。
だから、超一流になるためには「突き抜ける何か」をもっていないとなれないのです、
アンリ・ルソーは誰も持っていない色彩感覚だけで、超一流画家になった人のようです。
誰も持っていない色彩感覚以外は、高校の美術部にも劣る画力しかなかったのかも知れません。
しかし高校時代に美術部だった人で、画家になってメシを食える人になる人物は99%いません。
本当に必要なのは、独特であるということなのかもしれませんね。
※他人と違っていることを恐れる人は、一流にもなれない
ルソーの正体
特別付録
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