精神工学研究所

がんばっている人へ、がんばりたい人へ

*

マインドコントロールのやり方

      2023/10/29

統一教会問題で「マインドコントロール」が話題

になっていますが、マインドコントロールにかからないためには詳しいメカニズムを知っておくといいです。

具体的なマインドコントロールを最初に説明します。

夕子さんは、失恋と体の不調と会社の業績ダウンで手取り減少という三重苦に悩んでいました。

ある宗教団体系の占い師に相談してみることにしました。

すると占い師は次のように言いました。

画像はイメージ

「いいですか?夕子さん。

あなたは前世で悪行を積んで、本来ならまだ地獄にいるべき人なんです。

でも神様の慈悲のおかげで今世に生まれ変わることができています。

でも『魂は地獄にいる』んです。

だから地獄みたいに苦しいことが続くんです。

これを変えるには神様におすがりして、もっと心を磨かないとダメです。

具体的には、地獄から脱出できるペンダントを買いなさい。77万7777円です」

これが宗教的マインドコントロールの典型的なやり方です。

覚えるべきキーワードは三つです。

1.内部表現の仕組み

2.人間が抽象的思考ができるから

3.感情が優先される脳の仕組み

前回も説明しましたが、次に内部表現の仕組みを再掲します。

 

1・内部表現

 

人間の脳には五感から取り入れた情報で、「外部情報を再構成したもの」があります。

これは内部表現と呼ばれます。

人体と脳の関係を、自動車とドライバーで例えると・・・

窓が無くて外が見えない自動車があって、テレビカメラで外の様子をモニターに映しているようなものです。

運転手はそのモニターだけを見て運転している感じに似ています。

※内部表現とは外を映しているモニター

人間の脳はコンピューターに似ていて、内部表現というモニターの映像に「すでに知っている情報」を書き加えています。

これはアイアンマンがマスクをかぶった時に、外の様子が説明付きで映し出されるのにそっくりです。

人間の脳の場合、外の様子の説明はそれまでの人生で理解し、記憶した情報でできています。

例えば隣の家の犬を見た時、「これはポチ」とか解説がつくようなものです。

そのような記憶した情報が出てこないときには、「ポチによく似た犬」と「本当のポチ」の見分けがつかなくなります。

「ポチ」の存在を知らない人には、「ポチによく似た犬」と「本当のポチ」の見分けがつかないことは当たり前ですが、よく考えるとこういう脳の働きで見分けがついているとわかります。

※私たちが「知っている」というためには、記憶倉庫にそれに関する情報が存在していて、しかも「必要な時に引っ張り出せること」が必要です。

必要な時に引っ張り出せないのは記憶ではない

 

 

2・抽象化がカギ

 

脳に内部表現があって、そこには二種類の情報が書き込まれています。

ひとつは、外部世界の五感情報です。

もう一つは記憶倉庫から引っ張り出した、今自分が注目している世界の補足情報です。

捕捉情報にはほとんどすべて日本語での解説や名称がついています。

私たちは言葉で記憶を構成しているのです。

そして言葉とは「抽象化」なのです。

だから言葉を覚える前のことはほとんど思い出せません。

「ものごころがつく」年齢は、言葉を操るようになった年齢とほぼ同じなのはこういう理由です。

※言葉とは「抽象化」

 

3・感情が優先される

 

これでマインドコントロールできる仕掛けがそろいました。

誰かにマインドコントロールを仕掛けようとするとき、「ある言葉」でその人を操ろうとするのです。

宗教洗脳で言うなら、「地獄」というのがキーワードに使いやすいでしょう。

新興宗教であるなら「悪いことをしたら死後に地獄に落ちる」と脅すことが多いです。

または「あなたが今不幸なのは、地獄に落ちた先祖がいるからだ」というやり方もあります。

「本来あなたはまだ地獄にいるべきだったが神様の慈悲で現生に生まれてきている」とかいう方法もよく使われます。

こういう説法をするときに、「地獄がいかに恐ろしいところか」をリアルに想像させるのです。

その結果、「地獄の存在」をリアルに信じ込むようになります。

もう一つ大切なのは、「地獄」と聴いたとき、恐怖心が湧きあがるように条件反射をつけることです。

最初に説明した夕子さんの場合は、すでに苦しい状況になっているのを「地獄」というキーワードを結び付けて、条件反射回路を作ろうとしています。

こうやって「地獄は恐ろしい」という情報を忍び込ませるのです。

これに成功すると、「地獄」というキーワードを耳にしたり目にしたりしたとき、「地獄に関する記憶情報」が内部表現に出てきます。

その時に条件反射で、恐怖心もセットで出てくるようにするのです。

 

ノーベル賞を受賞したカーネマン博士の理論では、脳に情報が入るとき二つの経路があるとされています。

それは「システム1」と「システム2」です。

システム2は、脳の論理的に物事を理解する性質を使う方で、システマティックな(論理的な)理解です。

それに対し、脳が入ってきた情報をよく吟味せずに内部表現に入れる時があります。

これを「システム1」と呼んでいます。

そして人間は「システム1」の方を多用しています、なぜならこっちの方が楽だからです。

このやり方をヒューリスティックと呼びます。

特に感情が沸き起こっているときは、ヒューリスティック処理をしてしまうことが多いのです。

※ここからが大事

ですから「地獄」というキーワードが恐怖と条件反射を作っているときは「感情が働く」ので、ヒューリスティックになってしまいます。

つまり、脳に入ってきた情報をよく吟味せずに内部表現に入れてしまうのです。

これを繰り返すとその回路の神経細胞がどんどん太くなっていきます。

そして脳内でその回路の神経細胞が固定化してしまうのです。

そういう状態になった時に、マインドコントロールが完成します。

テレビで報道されたマインドコントロール

まとめ

 

・「システム1」を使って感情と入れたいキーワードで条件反射回路を作るように仕向ける

・条件反射回路ができかかったら、それを繰り返す。と同時に感情を強くする

・その結果、それが本当のことかどうか疑う「システム2」が働かなくなる

こうすれば、マインドコントロールを行うことができます。

関連記事

※第三回新興宗教の洗脳の手口(集団で洗脳)

非常に強力な技法です。

強力であるだけに危険な技術なのですが、日常生活でもよく経験することがあります。

そのテクニックの名前は「同調圧力」と言います。

第三回新興宗教の洗脳の手口(集団で洗脳)

 

特別情報
髪の毛で悩む男性だけお読みください

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

このブログは深い内容をお伝えしているので、一通り読めば相当な力がつきます。
ただ記事数が多いので、全て読むのは大変です。

下記よりメールアドレスをご登録頂ければ、最新記事セミナーの優待案内をお知らせします。

不定期メルマガにご招待

 




 

 - メルマガ倉庫

  関連記事

なぜFラン大学でも出なくてはいけないのか?誰もホントのことを言わない

所得税法違反で     日本大学の理事長が逮捕されましたが、 …

「ドクターストレンジ」カンバーバッチがとんでもない映画に出演していた!

実話が元   ベネディクト・カンバーバッチと言えば、「ドクターストレン …

あなたが理解できる、NHK党ガーシーが当選できた理由

参議院議員選挙で暴露系ユーチューバーのガーシー が当選してしまいました。 この件 …

あなたは大丈夫?「虫」を使った新型空き巣のコワい手口

「玄関前にクワガタがいた」 そんな写真をフェイスブックを乗せた女性。 じつはクワ …

第二回普通の人が意外と知らない「お金儲けの秘密」があります

「「お金儲けの秘密」があります」の続き   この記事は2022年12月 …

古代中国の「自己洗脳術」を使って、あなたの人生を変える方法とは?

人生を変える         読むと『人 …

なぜ日本は韓国・中国に負けているのか?これを読むとすぐにわかります!

なぜ日本がバブル崩壊以来、落ち目の一途     で韓国や中国 …

実話です つらい話

依存症の意外な犯人 2018年に書いた記事ですが、その後驚きの展開となりました。 …

【第二回】読むだけでうまくなるゴルフの話

ゴルフをしない人にも   ためになる話があるので、最後までお読みくださ …

いじめられる人は読んで、ご質問「ホットポテト理論」とは何か?

貧乏くじを引かされる 読者の方からご質問いただきました。 「ホットポテト理論につ …