アンケート結果発表（洗脳を解く）

自分で洗脳を解くこと

新春企画、はぴさぷメルマガで取り上げてほしい話題を募集しました。

本日はこの件です。

「あけましておめでとうございます。

今年も　楽しいメルマガをよろしくお願いします。

質問です。

自分で、洗脳を解くことは、

可能でしょうか？

よろしくお願いします」

質問は短いですが、回答は長くなります。

意外な答えになると思います。

怪獣エレキング

1・自分ではできない

答えから言いますと、自分では脱洗脳はできないということになります。

まず、洗脳のやり方と脳の認知の仕組みを説明します。

ウルトラセブンに出てきた怪獣にエレキングというのがいます。

その怪獣は真っ白な体に、黒いまだら模様があってカッコイイです。

さてそのエレキングの体表のような模様の絵画があると思ってください。

まだら模様なので何が書いてあるかわかりませんが、ある人がその答えを教えてくれるとします。

「これはねえ。犬だよ！ダルメシアン」

ダルメシアンとは101匹わんちゃんに出てきた犬種で、白黒の模様が特徴的です。

その人が指摘する場所をじっと見るとなにやら犬らしきものが見えてきます。

この絵は、ダルメシアンがいる風景を写真に撮って、コントラストをすごく上げたものだったのです。

地面の匂いを嗅ぐ犬の姿が見えますか？

それで、人間の認識機能には面白い性質があって、それが犬（ダルメシアン）だとわかるともう元の「何が何だかわからない絵」に戻ることはできなくなります。

ところがこの話には続きがあって、他の人があなたにこう言います。

「バカだなあ！これは犬なんかじゃないよ。三毛猫の絵なんだよ」と

そして元の絵のある部分を指さして、これが猫の頭、ここが胴体・・・と説明されたとします。

するとあなたはそれが猫の絵だと思い始めてしまうのです。

いかがでしょうか？

この絵は本当は、犬（ダルメシアン）の写真を加工したものなのですが、猫だと言われると猫に見えてくるのです。

心霊写真でもよくあるヤツです。

滝つぼなんかのぼんやりした風景の一部を、霊だとか顔だとか言われるとそう見えてしまう現象です。

つまりこれが「洗脳された状態」なのです。

あなたが猫の絵に違いないと思い込むと、それは猫の絵にしか見えなくなるのです。

もはや元の「何が何だかわからない絵」に戻ることもできないし、犬（ダルメシアン）の写真にも見えなくなるのです。

最初は「何が何だかわからない絵」にしか見えなかったものに、何かの意味を与えられるとそう見えてしまう仕組みが脳にはあります。

これをフレームとか、ゲシュタルトと言います。

心霊写真はダルメシアンの原理と同じ

2・フレームとは？

フレームとか、ゲシュタルトとは、枠組みとか構造という意味です。

脳の中でこれが造られていないとき「何が何だかわからない絵」に見えます。

これがいったんフレームとか、ゲシュタルトが造られるとそれにしか見えなくなる、思えなくなるのです。

この世界はキリスト教の神様が造ったと思えばそうしか思えなくなるし、他の宗教の神だと信じればそう思い込むのです。

そういう意味では現代科学の天文学も、神と同じ働きを脳に与えます。

質問者の「洗脳のイメージ」は次のようなものでしょう。

それは人間の脳が例えば透明なバケツのようなものであって、洗脳された人はそこに赤い色のついた水が入っている感じです。

赤い色のついた水が洗脳者の意図する情報です。

その赤い水を透明な水に戻すことが、脱洗脳であるというイメージがあると思います。（ほとんどの人はそう考えています）

しかし犬（ダルメシアン）と三毛猫の絵の例で言ったように、「何が何だかわからない絵」に戻ることはできないのです。

つまりこれは、「透明な水を入れることはできない」ということなのです。

私たちの認知の仕組みは、記憶から造られる知識なしに世界を記述することはできません。

これを簡単にいうと、何らかの色のついた水をバケツに入れる必要があるということです。

そして色のついた水をバケツに入れると、元の先入観のない状態に戻ることはできません。

私たちが普通に考える脱洗脳とは、洗脳宗教の教義に冒されたアタマを、常識的な知識に入れ替えることだと思います。

しかし「常識的な知識」というものも一種の色のついた水なのです。

「常識的な知識」を青い水だとすると、普通に考える脱洗脳とは洗脳状態の赤い色水を「常識的な知識」の青い水に変えることです。

でもそれは透明な水ではなくて、「常識的な知識」という新しい洗脳状態にすぎません。

つまりほとんどのまともな人はすでに、「常識的な知識」という洗脳状態なのです。

私たちの「意識」は透明バケツの青い色水や赤い色水の中にいて、それを通してしか世界を見ることはできません。

赤い色水を通して世界を見れば赤いものが見えなくなり、青い色水なら青いものが見えなくなります。

洗脳されるとはそういう感じで、確かに在るものが見えない状態なのです。

だからダルメシアンが見えたり、三毛猫が見えたりします。

私たちの「意識」は透明バケツの青い色水や赤い色水の中にいるために、真実を見ることはできません。

真実という動かないものがわからないのなら、今の状態がマトモなのか？洗脳状態なのか？区別することはできません。

これが脱洗脳できない理由です。

だから他人の視点を借りればそれが可能かというと、本当はできません。

他人も「常識的な知識」という洗脳状態であって、他人の視点を借りても「常識的な知識」という洗脳状態になるだけです。

統一教会に洗脳された人を脱洗脳させる試みは、日本人的常識を持った人に改造しようとすることなのです。

人の脳は透明バケツ

3・これが正しい脱洗脳

私たちの「意識」は透明バケツの青い色水や赤い色水の中にいるために、真実を見ることはできません。

しかしひとつだけ真実を見る方法が存在します。

赤い色水越しには赤いものが見えなくて、青い色水越しには青いものが見えません。だったらこの両方を体験したらどうでしょうか？

そうしたら赤いものも青いものも両方見ることができるようになります。

透明な水はありませんが、それと同じ効果を得ることができます。

つまり宗教的洗脳状態とふつうの一般人的思考を切り替えて両方の視点を持つことができるなら、赤いものも青いものも両方見ることができるようになります。

これができるようになるには、「ふつうの一般人的思考」も洗脳状態であって、宗教に毒されている人と変わりはないと思い知ることが必要になります。

「ふつうの一般人的思考」も洗脳状態であって、宗教に毒されている人と変わりはないと思い知ることができれば、思いのままに境地を切り替えることができるようになります。

これが「悟り」です。

ですからこの境地を会得した人は例外なく、「変人」になります。

なぜなら「ふつうの一般人的思考」も洗脳状態ということを心の底から知っている人が、悟った人だからです。

これが仙人が変人として描かれる理由です。

悟りを開くと変人になる

まとめ

時々宗教洗脳に冒されていたけど、自分で脱洗脳してマトモに戻ることができたと告白する人がいます。

私自身、そういう体験をしました。

しかしそれは脳の状態から見ると、「ふつうの一般人的思考」という洗脳状態になったということに過ぎません。

「ふつうの一般人的思考」とは、統一教会の例で言うとお布施に一千万円もの巨額のお金を差し出すのは異常だというようなものでしょう。

しかしそれなら神社でお賽銭に一円玉を放り込むのはどうなのだということに論理的に考えればなります。

そうは思わないのが「ふつうの一般人的思考」です。

一千万はおかしいが、1円ならかまわないというのは本当はおかしな思考形式なのですが、「ふつうの一般人的思考」は洗脳状態なのでおかしいとは感じられません。

青い色水に染まれば、青いものが見えなくなるのです。

今回は奮発して500円をお賽銭にしようとかいう場合もありますが、500円は一円の500倍なのです。

よく考えるとおかしいのですが、おかしいとは思わなくなってしまうのが「洗脳状態」です。

そういう思考形式を、ヒューリスティックと言います。

※人の思考はヒューリスティックに流れやすい

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