太陽フレアで地震は起きるのか？　人工地震との関連は？

2024年5月大規模太陽フレアが

発生しています。

フレアとは太陽表面で起きる大きな爆発のことですが、これが地球にも影響を及ぼしています。

一部では太陽フレアと地震とは関係があるという説もあります。

果たして真相は？

人工地震との関連は？

1・太陽フレア発生中

気象予報士植松氏のニュースサイトより

「今月8日頃から太陽表面での大規模な爆発「太陽フレア」がたびたび発生しているということで、ここ数日は関連するニュースを目にした人も多いと思います。

そもそも「太陽フレア」とは何で、私たちにはどういった影響があるのでしょうか。

スマホの通信はいつも通り使えるのか、人体に影響はあるのか、そして日本でもオーロラが見えるのでしょうか？

結論から言うと、スマホの通信に直接影響はありません。

というのも、太陽から届くプラズマ粒子が地上において直接影響を及ぼすのは、主に「短波」と呼ばれるタイプの通信で、たとえば今では数が少なくなった短波放送のラジオや、航空機・船舶の通信が中心だからです。

ただ、地上においては限れらた範囲の影響しかなくても、宇宙においてはより影響が大きくなります。

爆発の規模が大きい場合は、宇宙空間を飛んでいる人工衛星に障害が起きて、衛星を利用した通信やGPSの計測に問題が発生するおそれがあるため、結果的に地上で衛星通信や高精度のGPSを利用する際に影響が出ることがあります。

一方で、地上で暮らす人の体に影響が出るようなことはないと考えられています」

太陽フレアにより粒子線が地球に降り注ぎます。

それにより北海道のような比較的低緯度のところでも、オーロラが見られました。

太陽フレアとは？

「情報通信研究機構（NICT）によると、今月8日から10日夕方までですでに最大規模クラスの「太陽フレア」が6回起きていて、このくらい短い期間で6回も発生するのは2005年以来だそうです。

時々その太陽の表面から電磁波や高エネルギーの粒子、そして電気を帯びたガスなどが大量に放出されることがあります。

このような高いエネルギーを持つ物質や電磁波が爆発のように吹き出す現象を「太陽フレア」と呼んでいます。

「太陽フレア」自体はめずらしい現象ではありません。ただ、今月8日頃から通常よりも規模の大きい「太陽フレア」が何度も発生しているため、ニュースになっているのです」

2・地震との関連は？

太陽フレアと地震とは関係ありません。

スピリチュアル的科学が好きな人は、太陽フレアと地震は関係あると言っていますが、科学的にあり得ません。

スピリチュアル的科学（科学？）な人は、太陽からやってくる放射線が地球を通り抜ける際に地殻の岩石を破壊し、それが地震の引き金になると考えているようです。

しかしあり得ません。

というのは放射線とか、放射能を漠然と恐れているだけで、そういうものに対する知識がないからです。

ふつうの放射能の話をします。

ウランのような放射性物質から放射線が出ていて、こういうことを一般に放射能と呼びます。

放射線には三種類あって、アルファ線・ベータ線・ガンマ線の三つです。

・アルファ線は陽子2個と中性子2個からなる粒子です。

これはヘリウム原子核と同じ構造をしています。

・ベータ線は高速で動く電子です。電気でおなじみの電子が正体です。

・ガンマ線は電磁波の一種で非常に高い周波数を持っています。

ガンマ線のように非常に高い貫通力をもつものを、一般の人は放射能だと言って恐れることが多いです。

しかし人体に与える影響はアルファ線が大きく、次がベータ線です。

ガンマ線は貫通力は大きいですが、人体や物質に影響を与える力は小さいです。

このような放射線の力を考える時、「この世的」なものほど影響力が大きいです。

例えば発がん性などですが、「この世的」度合いが強いアルファ線がもっとも大きいです。

しかし「この世的」なものであって正体はヘリウム原子核ですから、物質によってさえぎられる率も大きいのです。

だから地球の奥深くに入って地震の原因を造り出すことなどできません。

宇宙線の一種のニュートリノという粒子は非常に貫通力が高く、地球など簡単に通り抜けてしまいます。

今この瞬間もあなたの体をニュートリノ粒子が通り抜けていますが、「この世的」なものではないので癌の原因になるほどあなたの体に影響を与える力はないのです。

影響を与えることがないから貫通力が高いとも言えます。

放射能の一種であるベータ線の正体は電子ですので、マイナスの電気を持っています。

つまりスピリチュアルな人が大好きなマイナスイオンの効果と同じものですが、それでも放射能です。

ところがスピリチュアルな人にとってはベータ線は放射能だから悪いと感じているようです。

同じ電子なのに、マイナスイオンはいい電子、放射能は悪い電子だと感じているようですが、こういう点はまったく科学的ではありません。

3・地震の原因になるのか？

どうも太陽フレアや人工地震説を信じているような人のイメージに最も近いのは電子レンジではないかと思います。

電子レンジはマイクロ波という電波を食材に与えることでそれを過熱します。

これと同じ感じで、ある種の電波が地面の中に入っていって、電子レンジと同じ仕組みで地殻を熱で破壊し地震の原因になると思っているようです。

しかし電子レンジ説はまったくの見当違いです。

なぜなら電子レンジで加熱できるのは水の分子であって、空のガラスコップをチンしても熱くはならないのは主婦であれば誰でも知っているでしょう。

ガラスと岩石はほぼ同じようなものなので、地面に電波を照射しても地殻を破壊できるほどの熱を発生させたりできません。

地殻を構成している岩石中にもわずかながら水分があるので、それが過熱されるのだと反論する人がいるかもしれません。

ところが地中深くの水分が過熱されるほどの大出力の電波であるなら、地表の海や湖はどうなのでしょうか？

もしそうならもっと多くの影響がでるはずで、太陽フレアなどで海水温が上昇するはずですが、そういう観測結果はありません。

もっと大きな影響が出るのは広い面積に浅い水深の田んぼです。

太陽フレアの電磁波が地震を起こすほどのエネルギーで地球に降り注ぐなら、田んぼの水は手をつけていられないぐらいに熱くなるはずです

そうなったら稲は全部枯れるでしょう。

ということは大規模の太陽フレアが発生した年は、コメがとれなくて大飢饉に必ずなっているはずです。

しかし日本の歴史をみても、そういうことは起きていません。

田んぼの水もあっためることができないものが、地殻の岩石を破壊することなどできるはずがありません。

まとめ

スピリチュアル的科学（科学？）な人は、太陽からやってくる放射線が地球を通り抜ける際に地殻の岩石を破壊し、それが地震の引き金になると考えているようです。

こういうのは放射線とか、量子物理学とか、一見科学的なことを言っているようですがまったく非科学的です。

太陽からやってくる放射線が地震の原因になるというのは、懐中電灯の光でコンクリートの壁がぶち壊せるというのと同じで「頭大丈夫か？」というレベルの話です。

太陽からやってくる電波が電子レンジと同じなら、田んぼの水がお湯になるはずです。

あり得ません。

そういうほら話は昔から、「へそで茶を沸かす」と言います。

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