客を騙してコントロールする、恐ろしいレストランの手口
心理学の技術を
使って、客を思いのままに動かしているレストランがあると言ったら驚きますか?
もしかしたら、あなたもこの手口に引っかかったことがあるかも知れません。
言われないと「あ!そうか」とは気が付けないやり方なのです。
恐ろしいレストランの、「ランチの魔法」を知って、驚いてください。
1・心理学実験
ここに両端が矢印になっている線があると想像してください。
「←→」こういう感じです。
この線の横に、水平な線の長さは同じで「矢印の両端が反対方向に開いている線」があると想像してください。
「>--<」こういう感じです。
この図形を並べてみると、水平線の長さが「←→」の方が短く見えてしまうのです。
そういう錯視の図形、あなたも見たことがあるでしょう?
2・エビングハウス錯視
もう少し複雑なものを紹介します。
直径3センチの円が二つあると想像してください。
一つの方には、直径3センチの円の周囲に直径5センチの円を6つぐるっと囲むように配置します。
もう片方には、直径2センチの円6つをぐるっと囲むように配置します。
この二つに図形を見比べると、あら不思議!
直径5センチの円で囲まれた方が、直径2センチの円で囲まれた方より小さく見えてしまうのです。
同じ直径3センチの円なんですが、違いがハッキリわかるくらい小さく見えてしまうのです。
とても不思議な感じがします。
どうしてこういうことが起きるのでしょうか?
これは線や円のようなものだけに起きるのでしょうか?
いいえ!
現実生活でも、これと同じ事が起きています。
3・お昼の定食屋
あるレストランでは、二種類の定番昼定食を提供しています。
1.唐揚げ定食
2.豚の生姜焼き定食
唐揚げ定食は唐揚げ5つとみそ汁とごはんで、980円です。
豚の生姜焼き定食は、「唐揚げ5つと同じぐらいのボリューム」の豚肉の生姜焼きと、みそ汁とごはんで、980円です。
つまりこの二つ、ほぼ同じ値打ちに感じられるので客がどちらを選ぶかというのは、その時の気分、または好みの問題だけになります。
しかしこのレストランのコックは、もう一品お昼の定食をメニューに加えました。
3.スペシャル漬物定食
スペシャル漬物定食は唐揚げ3つとみそ汁とごはんに、たくあんが三切れついて980円です。
スペシャル漬物定食はどう見ても唐揚げ定食より劣ります。
それでいて、値段は同じなのです。
このメニューを追加する以前は、唐揚げ定食と豚の生姜焼き定食の注文は半々でした。
ところが、スペシャル漬物定食を加えてからは唐揚げ定食を注文するお客さんばかりになりました。
スペシャル漬物定食をたのむ人は、ほとんどいません。
なぜこういうことになったのでしょうか?
これは「唐揚げ定食」に対して「スペシャル漬物定食」は、「唐揚げ定食の劣化版」になっているからです。
つまり唐揚げ定食も、豚の生姜焼き定食も、おなじ直径3センチの円に感じられるのですが、
「唐揚げ定食」に対して、「唐揚げ定食の劣化版」であるスペシャル漬物定食を配置することで、「唐揚げ定食」の価値が上がったように感じられるのです。
以前はおなじ直径3センチの円だったのですが、スペシャル漬物定食を配置することで、「唐揚げ定食」は直径4センチの円に見えるようになったのです。
だから、スペシャル漬物定食を加えてからは唐揚げ定食を注文するお客さんばかりになったのでした。
まとめ
二種類の定食を用意することは手間がかかります。
ところが唐揚げはお昼前から造って置いておくことができます。
だから豚の生姜焼きより、唐揚げ定食の方が効率がいいのです。
そこで、「唐揚げ定食の劣化版」であるスペシャル漬物定食をメニューに加えたのでした。
ここからわかることは、私たちの脳は「二つのものを比較すること」でしか価値や大きさを判断できないということです。
ですからあなたが友達と二人で出かける時に、その友達があなたより見かけが素敵であったなら、あなたはいつも失恋です。
※いろんな意味で友達は選ぼう
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